爬虫類・両生類/フィールドワーク

三月 花よりヘビ

「今月のフィールディング」第三弾は意外にも「ヘビ」です。まだヘビにはちょっと早いのでは...?って感じですが説得力ありまくりです。

執筆者:星野 一三雄

全国の両爬ファンのみなさんコンニチハ!!
「今月のフィールディング」も3回目であります。
時期的にちょっと中途半端と思われがちな弥生・三月でありますが、今回、この時期のフィールド達人である友人の協力を得て、またまた魅力あるフィールドへの誘いです。

▼三月という季節
先ほども書きましたが、三月というのはフィールディングにはちょっと中途半端な時期と考えていました。だって、初旬だったら関東では雪が降ることもあるし、九州でも先日(3月6日)には雪がガンガン降りました。こんな時期に起きてくる爬虫類はいないと思うし、両生類だって産卵を終えて一段落している場合が多いからです。
ところが、なんと「この時期が一番『ヘビ』を見つけるのに適している」と私の友人は言います。
もちろん、いくつかの条件が揃えば、という前提付きなのですが、以下の理由から三月はヘビ探しに適しているのです。

理由その1・下草が少ない
三月は、まださっきまで冬だった時期です。ですから、畑周辺にしたって、河川敷にしたって夏のうっそうとした雑草もまだ全然生えていません。ほとんどが枯れ草です。そんな中ではいくらヘビがいたって、草に隠れて見えないですし、仮に見つけてもすぐに草の間に逃げられてしまいます。
ですから、そういう草が少ないこの時期ならばヘビも見つけやすいわけです。

理由その2・真っ昼間が活動時間
夏の間のヘビたちの活動は午前中に体温を上げきって活動して、午後は暑さのため隠れてしまっている場合が多く、どうしても観察は午前中の早い時間から始めることになります。
ところが三月ならば午前中には体温が上がりきらずに午後まで日光浴をしていることが多いのです。もちろん、日光浴中のヘビはオープンスペースに出ていますので見つけやすいですよね。さらに一日のうちで最高気温になるのは正午から2時くらいにかけてですから、夏のように午前中から急いでフィールドに出なくても、昼前くらいから余裕を持ってフィールドに向かえば十分なのです。

どうです?なかなか説得力があるでしょう。

▼三月のヘビの条件
理由はあっても、もともとフィールディングにはちょっとしたコツがいるこの時期。ヘビを探すための条件はどんなでしょう?
・気温・・・最高気温18℃以上は必要です。地域にもよりますが「サクラの花が散り始めて、そろそろお花見もお終いかな」というような時期、つまり三月の終わりから四月の初めくらいがいいようです。

・天候・・・もちろん、晴れ。風は無風状態が理想です。ヘビは外の情報の多くを嗅覚に頼っていますので、風が強い日はヘビはあまり多く見かけません。

・場所・・・とにかく隠れ家となりそうなモノが多くある場所を選びます。特に、畑が多い場所などの石垣などは冬に冬眠をしたりして巣穴にしていることが多いので、条件さえ良ければヘビが鈴なりになっているような場合もあります。
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