先月より始めてみました「今月のフィールド」。未だ冬まっただ中の現在、苦しい展開が続きますが、それでも着実に外では春の足音が聞こえています。そんな春直前の「二月のフィールディング」をガイドいたします。
▼二月は平地性小型サンショウウオ
寒い寒い二月ですが、今月は平地性小型サンショウウオを探してみましょう。
◇平地性小型サンショウウオって?
実は日本って有尾類が多いんです。オオサンショウウオやイモリまで含めれば3科6属21種が分布していて、これからもまだ新種が報告されそうな勢いであります。
この中のサンショウウオ科Hynobiidaeを特にオオサンショウウオと区別するために便宜上「小型サンショウウオ」と呼ぶことが多く、サンショウウオ属Hynobius・ハコネサンショウウオ属Onychoductylus・キタサンショウウオ属Salamandorellaの3属があります。さらにHynobius属の中で、比較的平地の水環境で生活する種類を平地性小型サンショウウオなどと一般的に呼びます。
平地性小型サンショウウオに含まれるのは
・トウキョウサンショウウオ
・カスミサンショウウオ
・クロサンショウウオ
・エゾサンショウウオ
・トウホクサンショウウオ
・オオイタサンショウウオ
・アベサンショウウオ
・ホクリクサンショウウオ
あたりです。
オオイタサンショウウオ |
北海道ではエゾサンショウウオ、東北ではクロサンショウウオとトウホクサンショウウオが、関東ではクロサンショウウオとトウキョウサンショウウオが、そして中部から九州北西部ではカスミサンショウウオが、九州東部と高知県ではオオイタサンショウウオが見られます。
関東以北では雪解けと同時に観察の時期になるので、2月ではまだちょっと早いと思われますが、それ以外は2月中旬くらいから観察シーズンになります。
なおアベサンショウウオとホクリクサンショウウオは天然記念物に指定されていますので今回は観察の対象からは外します。また地域によっては、市町村指定の天然記念物指定されている場合(例:大分市のオオイタサンショウウオ)もありますので、十分注意して下さい。