▼放置流ドジョウ飼育繁殖術
その方の飼育繁殖方法は、噂を聞いた動物園の飼育係が教えを請いに来たというくらいの実績があります。
◇飼育環境
容器は深さのある50×40×30cmくらいの発泡スチロールの箱。発泡スチロールは断熱性が高いので、温度の変化を最小限に抑えられるのがミソかも。
ドジョウが飛び出してしまうので、常に金網のフタをします。
容器の置き場所はベランダで、夏と冬の間は常に発泡スチロールのフタをかぶせ温度が急変しないようにします。春と秋は半分ほどフタをし、直射日光があまり当たらないようにしましょう。
底砂は5年前に田んぼからとってきた泥だそうで、泥だけで10cmほどの高さにして、さらに普通の黒土や腐葉土などを加えて計20cmほどの厚みを持たせます。結局、水の部分は深さ5~7cmくらいですから、ほとんどドジョウは泥の中で生活しているようです。
水の管理は特にしていないらしく、足りなくなったら水道水を足し入れるだけ。ろ過やエアーポンプもなし。
餌は普通に金魚の餌。週に一回程度。ときどきはゴハン粒や湯がいた青菜なども与えているそうです。
基本的には、この飼育設備1つで数頭のヒバカリに与えるドジョウはコンスタントに確保できるくらいの繁殖はされているようです。
おそらく、越冬するのは大型の個体が数匹だろうということですが、消費量から考えれば年間に50匹くらいは殖えているだろうということです。
また餌としてドジョウを取り出すときは、熱帯魚用のネットでは泥で目詰まりしますので、ザルを利用すると都合がいいそうです。
◇ポイント
この飼育法は本人も言うように、一見放置しているだけのようにも見えますが、いくつかのポイントもあるようです。
・豊富な量の泥
ドジョウの生活の場、卵や孵化仔の隠れ家、自然浄化...など、理由はいろいろ考えられますが、豊富な泥が、必要です。
・年一回の泥おこし
泥の管理は、特別なことはしていないそうですが、一年に一回、夏場に泥を底からひっくり返して泥おこしをしているそうです。
・田んぼの水をときどき足し水
基本的に水は、少なくなってきたら水道水を加えますが、チャンスがあればペットボトル1本分の田んぼの水を足すと良いようです。餌となる微生物が豊富に含まれているでしょうから。
・孵化仔がいるときは静かに
孵化仔が観察できる間は、あまり泥が動かないようにして、水を足すときもふちの方からそーっと加えるのがよいそうです。エアーポンプやろ過装置などの撹拌される要因は、もしかすると孵化仔の生育を妨げるのかもしれません。
・発泡スチロールの箱
以前はバケツで飼育していたそうですが、その時はほとんど殖えることがなかったそうです。これを発泡スチロールの箱にしてから殖えるようになったそうなので、これが最大のポイントなのかもです。
本人も言われているように「ただ自然に殖えているだけ」だと思いますが、それでも栄養豊富なドジョウがいつでも入手可能なのはとても便利でしょう。
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。