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両爬と暮らす家 Housing for Herptiles !!(2ページ目)

両生爬虫類を中心とした動物を飼育するために家を新築された方がいます。まさに私たち飼育者の壮大な夢を実現したのです。どんな工夫や苦労があるのかを聞いてみました。

執筆者:星野 一三雄

▼壁の工夫
Sさん宅の飼育部屋には、壁に多くの工夫がされています。
◇断熱構造
壁の断熱には手を抜いていません。特に外壁材は、断熱に最も優れていると考えられるメーカーのものを使っています。Sさんが使われているのは旭化成のヘーベル板であり、これは現在の各メーカーの外壁材の中では最も断熱に優れているそうです。

◇内部に補強
壁の内部に、重いモノを載せられる棚などを設置できるように補強を入れてあります。地震が多い日本では、そんなことも考える必要がありますね。

◇コンセントは上部に
私の家でもそうなのですが、膨大なケージ郡の裏側にコンセントがあると、メンテナンスをするときに大変な苦労をします。床に顔をくっつけて手を伸ばして...と。
そこで、コンセントはすべて天井に近い高さに設置するとそんな苦労もしなくてすみます。まさに飼育部屋の真骨頂と言える工夫です。


▼気になる予算
さて、気になるのは飼育部屋を作るための予算ですが、実は思ったよりはかからないようなのです。Sさんのお宅に限れば、
「飼育部屋に限れば、内装や床材の分だけ普通に作るよりも安くなっているようである」と言うことです。
参考までに家全体で考えれば、家自体を動物のために作り、それを可能とする業者を選んで建てたところ坪単価で60万円を超える程度になったそうです。
ちなみに増築した、車庫の2階を利用した3部屋の飼育部屋を擁した別棟は800万ほどかかったそうです。

▼気になる理解
もう一つ気になるのは周囲、つまり同居人の理解を得ることでしょう。確かに普通に考えれば、家を新築するときに「ヘビを飼育するための部屋を作るから許してくれ」と言っても、簡単には許可は出ないのではないでしょうか。
Sさんの場合は奥様と相談されたときに「人間の生活空間と動物の飼育空間の間にバリアを作り、人間の生活空間に動物飼育がはみ出さないように、飼育部屋は余裕を持って大きく作る」という約束をされたそうです。

▼これから家を建てる方へ
こうやって、さまざまな多くの動物たちとの幸せな生活を実現しているSさんから、これから両爬と暮らす家を建てる方へアドバイスをいただきました。
◇エアコンの位置をよく考えましょう
Sさん宅の飼育部屋全室にエアコンが完備されています。特に設置する場所には気を遣っていて、注意したいのは「直接ケージにエアコンからの風が当たらないように」です。また空気が滞留しないように、扇風機で空気を撹拌する工夫も必要です。特におすすめの設置場所はドアの真上です。人間の通路に向かって吹き出させると、効率的だそうです。

◇部屋の位置は北側に
日光浴の必要がない生き物の飼育部屋は北側に配する方が管理がしやすいです。日光浴の必要がある生き物に対してはそのスペースにベランダを用意すれば十分でしょう。

◇先達の設備を見学しよう
やはり、実際に経験するのは大切なことでしょう。大きな買い物になるわけですから「失敗した。やり変えたい」と思っても、そう簡単にいかない場合がほとんどでしょう。
両爬の飼育部屋を作っていたり、家を作ったりという偉業を達成された方の設備を見学し、成功例と失敗例を見て、自分のところに生かすのは大切なことです。身近に、そういう方がいらっしゃらない場合は、動物園のバックヤードや、ショップなどを見学させてもらうのも参考になるでしょう。

◇お金をかけましょう

何も言いません。その通りだと思います。特に初期投資を余裕を持って行っておかないと、後から改造するハメになったりして、よけいに経済的負担が増してしまいます。

何にしても、このSさんという方、生き物を飼育するために家を新築され、設計時からさまざまな工夫を凝らし、さらに生き物専用の別棟を作り、さらに足りずにサンルームを増築、そして夢は鳥を飛ばすことができる巨大な設備を...と言うのですから、脱帽です。

最後に、生き物飼育のために家を建てるときに一番考えたことは何でしょうか、と伺ったところ
・管理のしやすさ
・脱走防止
・生き物の生息環境にあわせて部屋を分ける

と言うことでした。当然ですが、飼育する生き物の自然での姿や生態、環境を知ることはとても大切なことです。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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