唐突ですが、みなさんの両爬飼育の夢は何ですか?
もちろん、人それぞれでしょうけど、みなさん一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
「両爬飼育部屋を作りたい」
今回は、究極の両爬飼育部屋を作るために、なんと「動物を飼育するため」に自宅を新築された方のお話を伺ってみました。
▼動物飼育のための家
さて、今回お話をうかがったのは茨城県のSさんです。
Sさんのお宅は2階建て総部屋数6+LDKで、ベランダが2カ所、屋上に3部屋分のスペースを確保していて、普通に考えても十分余裕のある家です。問題の飼育部屋ですが、1階に7.5畳、2階に13畳の計2部屋です。ただし、驚くべきことに、これだけではあっという間に足りなくなって、車庫の2階を利用して3つの飼育部屋を擁した別棟を建てられ、さらには20畳以上のサンルームも増築されました...もちろんすべて飼育用です。ただし、両爬だけでなく、熱帯魚、哺乳類、鳥類までも飼育対象にされていますので、まさにちょっとした動物園と言えるレベルですが...
▼飼育部屋の工夫
さて、そんなSさん宅の、特に「両爬飼育に関する工夫」を見てみましょう。
◇生息環境に合わせた部屋分け
Sさん宅の二つの飼育部屋は、基本的に二つの気候区をイメージした部屋になっています。1階の部屋は熱帯雨林、2階の部屋はサバンナです。1階は昼夜の気温差が少ない、2階はそれが大きいというイメージで準備しました。また、「サバンナ部屋」は夏に冷房の必要がない部屋でもあります。
「熱帯雨林部屋」は気温や湿度が外の天気等に影響されないように、つまり完全に人間の手でコントロールできるように、窓がありません。
「サバンナ部屋」はリクガメが多く飼われているので、採光と保温に重点が置かれています。大きな窓は断熱のため二重に窓を作っています。
◇細かく分けた電気系統
両爬飼育には多くの電気器具が使われます。みなさんも、ひとつのコンセントから数え切れないくらいの「タコ足配線」をされている方も多いと思います。またやっかいなのはホットスポットなどの保温用照明と基本となる蛍光灯です。照射の時間が異なりますのでタイマーが二つ必要になるわけです。
そこでSさん宅では、設計時に電気系統を数系統に分け、すでに壁にタイマーを設置した系統も作りました。
こうすることにより、不必要にタコ足配線をしたり、無理な延長コードやタイマーの複数化の煩わしさを解消しました。
◇水道完備
飼育部屋には必ず水道の蛇口と排水口、または流しが設置されています。もちろん、部屋の床は防水構造にしています。みなさんもありませんか?ケージを洗ったりするのに、人間が使う流しを使ったり、濡れた容器を移動しているときに部屋や廊下に水をこぼして奥様に怒られたりしたことが...そんな理由からも飼育している場所に水道があるのは便利です。