▼スグレモノ・フィルムヒーター
私たち両爬飼育者が手放せない物があります。
その一つが「フィルムヒーター」ではないでしょうか。これは薄いシート状のヒーターで、表面温度が30℃くらいで維持されるために「ピタリ適温(みどり商会)」と言うのが大ベストセラーになっています。
これをケージの下に敷くことによってケージ内の床面が温められ、「這いずりモノ」である彼らを「おなか」から温めてくれます。また小さいケージならば、これだけでも「全体保温」として利用できます(冬季除く)。もちろん小さいサイズの物ならばホットスポットの代用にもなります。値段も手ごろであり、用途によってサイズを変えて揃えておくのもいいでしょう。私の家ではフィルムヒーターだけで十数枚を使っています...
▼夜間の保温
当然ですが、夜は気温が下がります。ですから、夜間もしっかりと保温を考えなければいけません。私の家の場合は温帯性種ばかりなので昼間の余熱とフィルムヒーターだけで済みますが、そうもいかない方のほうが多いですよね。
夜間の保温では光は出ずに熱だけを出す「ナイトランプ」が便利です。特に爬虫類には見えにくい光を発するランプは私たちが夜間にこっそりと観察するのに適しています。
真っ暗にした部屋の中で、怪しげな弱い光のもと、ケージを覗き込んでにやにやしている我々の姿を客観的には想像したくはありませんが...
▼保温の注意
せっかく保温したのに、それが原因で生き物を死なせてしまっては元も子もありません。以下に保温時の注意事項を挙げておきます。
「乾燥に注意」
特にエアコンなどを利用すると思いのほか乾燥します。湿度のチェックは怠りのないように。またフィルムヒーターが敷いてある場所に飲み水などを設置すると、気づかないうちに蒸発してしまうようなことがあります。
「水場だけでなく陸場も保温」
カメなど水陸両用の生き物は水場だけでなく陸場も保温しましょう。呼吸器系の疾患の原因になります。
「火傷に注意」
ケージ内に保温器具を設置する場合は保温器具に直接生き物が触れられないようにしましょう。そのためにはヒーターや電球の類には火傷防止用のカバーなどがありますのでケチらずに利用します。もちろん私たち飼育者も火傷に注意です。
「電球類に水滴をつけないように」
ホットスポット用のランプは水滴がつくと破裂することがあります。特に、霧吹き時に多い事故です。注意してください。
「保温器具の故障に注意」
当然ですが、保温器具が故障してしまうと保温ができません。気づいてみたら凍え死んでいた、なんてのは洒落になりません。そのためにも、これまた当然ですが温度計を設置することは忘れずに。
以上、本当に簡単ではありますが保温に関する基礎知識でした。
<撮影協力>
「宮崎ペット」
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。