先日、ある人気番組でその生態が紹介されてから、一般の方々からの問い合わせが増えてきたトカゲがいます。それが「ホウセキカナヘビLacerta lepida」です。
日本にも「ニホンカナヘビ」というポピュラーなカナヘビがいますが、こちらはその数倍も大きくなり全長で60cm以上になる、名前の通り美しいトカゲです。ギャリワスプとは違ってこちらは結構昔からショップにも流通しているポピュラーなトカゲなのですがどうやら2つのタイプ(別亜種?)があるようです。
一つはイベリア半島の地中海沿岸に分布するタイプ。もう一つは地中海対岸の北アフリカに分布するタイプ。成体は写真を見る限りでは特別な違いはなさそうな感じです。ただし、ベビーのときはアフリカ産のほうがメタリックがかっていてきれいだとか。最近はさらに別のタイプのような個体も入荷されてくると言うことなので、ちょっと奥が深そうですね。
基本的に乾燥系昼行性トカゲ一般の飼い方でおっけーで、丈夫なトカゲだそうです。ただし、紫外線の照射は必須ですので十分な日光浴や強い紫外線ランプが必要になります。またカルシウムの添加も怠ることができません。この辺はトカゲを飼育しようと思うのならば当然の覚悟でしょう。
餌は雑食性なのでいろいろ与えたい所です。昆虫類・節足動物・マウス・ウズラ・果物・野菜・花...どうやら甘党のようでヨーグルトやプリン、蒸しパンなども食べるとか。でも、面白がって与えすぎることのないようにしましょう。自然では食べていない物ですから。フトアゴヒゲトカゲ用の配合飼料等もふやかして与えると良いようです。雑食性というのは必要があっていろいろ食べるわけですから、飼育下でも単食にならないように気をつけたいところです。
本種の魅力はなんと言っても名前が示す通り美しさです。が、ショップではイマイチ地味な体色の幼体が多いため人気がないようです。そんな地味なベビーをゆっくりゆっくりと手塩にかけて大切に育ててあげれば、気づいてみたら目も覚めんばかりの美麗トカゲに変身する。まさに石ころでしかなかった「原石」がじっくりと職人が研磨していくことによって多くの人を魅了する「宝石」になる。
実はホウセキカナヘビJeweled Lizardと言う名前はそんな所からついた名前なのかもしれませんね。
<関連サイト>
ペポニ
ヨーロッパヘビトカゲを飼う(鶴亀動物王国)
爬虫類両生類オンライン図鑑RAPLUS
ホウセキカナヘビ(Potapenko's Favorite)