/猫関連情報

飼い主のいない猫への餌の与え方を考える(2ページ目)

飼い主のいない猫への餌やりのルールとマナーを考えてみました。猫がたくさんいるから迷惑、と思っても捨てることは犯罪に当たります。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

猫の帰巣本能

食べ残しはすぐに片付けます
食べ残しはすぐに片付けます

そこで生まれた猫には、サケが生まれた川に帰るのと同じように、自分が生まれた場所に戻ろうとする帰巣本能があります。これは猫にとって「ニオイ」の記憶であるともいわれていて、特にメス猫に強く備わっているそうです。
飼い主がいない状態で生まれた子猫が、もし無事に成長すると、メス猫はその地域に残る率が高くなります。オス猫は発情の時期に、その地域に相手となるメス猫がいなければ、メス猫を探して別の場所に移動しますが、戻れる距離であれば、また産まれた地域に戻ってくることが多いようです。

猫は単独動物といわれていますが、私の観察では親子兄弟が行動を共にしているよく姿を見かけます。
毛の色の遺伝的な関係と、猫の個体相違で観察してみると、かなり高い確率で近親交配が行われている地域もあるようです。
よく「雑種は丈夫だから」と云う人がいますが、人の目に触れるまで生き残れているということ自体が強い個体の証明なのです。人の目に触れることもなく土に帰ってしまう個体は、想像を遙かに超える多さだと思われます。

それなのになぜ、今こんなにも飼い主のいない猫が増えているのか?という理由は『猫が増えることで起こる迷惑とは?』にも記載したとおりです。

捨てても解決にはならない

「ここにはたくさんの飼い主のいない猫がいて迷惑なので、別の場所に捨てる」は、犯罪で50万以下の罰金に処せられます。
もし仮に、このような法律がないとしても、自分のところが迷惑と感じている猫を、よその場所に持っていけば、その場所であたらに迷惑と感じる人がいることくらいは想像できるでしょう。自分さえよければ、自分の家のまわりにさえ猫が来なければ、という考え方はあまりにも身勝手思えます。

人は人の決めた法律において、自分の地所だと主張しますが、そこで生まれた猫にも、そこで生きる権利があるのではないでしょうか?
そもそもは、誰か人の手によって捨てられた猫の子孫なのですし。。。

仮に今いる猫をその地域から排除したとしても、数ヶ月後には別の猫が入り込んできます。捨ててしまってもなんの解決にもなりません。

時間と場所を決めます
時間と場所を決めます

*記事のUPはガイドメルマガにてお知らせします。登録はこちら


<ガイドのその他の記事>
猫が増えることで起こる迷惑とは?
飼い主のいない猫の迷惑を減らすために
猫の同居人の義務
【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で猫のペット用品を見るAmazon で猫のペット用品を見る
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます