「黒猫」…皆様はどんなことを想像されるでしょうか?
『誤った迷信 黒猫は不吉?』は2002年2月に前ガイドも記事に取り上げていますが、今回は岩田風で~。
目と口しか見えない黒猫は… |
エドガー・アラン・ポーの「黒猫」
「黒猫」と聞いて、エドガー・アラン・ポーの短編小説「黒猫/The Black Cat」を思い出される方も多いでしょう。ポー自身が黒猫を飼ったことがあるかどうかは不明ですが、ポーの妻のヴァージニアはカタリーナという三毛猫を可愛がっていたそうです。病に倒れ極貧生活の中で暖を取る余裕もなかった彼らをその三毛猫が寄り添って温めていた、という話が「黒猫」(岩波文庫)の解説で紹介されています。
ポーが小説の中に猫を登場させようと考えたとき、それは三毛や赤トラではなく、黒猫でなければならなかった…これは、小説をお読みいただければ、黒猫以外ではこの恐怖感が表せないはず!とおわかりいただけるでしょう。
黒猫が迷信に登場するのは?
なぜ黒猫には様々な迷信がつきまとうのでしょうか?
どんなところに人は猫の「魔性」を感じるのでしょうか?
まだ科学が発達していない中世に当てはめて考えてみてください。
まず、猫は夜行性の動物です。ドラキュラ伯爵も夜行性ですね(笑)。今のように電気がない時代、夜は真っ暗で、夜外を歩くなんてもってのほか。その夜になると活動を開始して、夜目が利く猫は、やっぱり魔女の使い魔?
暗闇の中でも光に反応して瞳孔が光ったり、明るさによって、瞳孔が細くなったり太くなったり…、これも猫の目の構造を理解していなかった昔の人は「不気味~」と思ったかも。
また、猫の身体は静電気の放電で光ることがあるらしいです。
暗闇で身体から青白い光りを放ち、目がランランと輝き…
これは怖いですね!
高いところから落ちた時、身体を反転させて着地できる猫の運動神経の良さも驚異に感じられたかも知れません。高いところから落ちても死なない!猫は不死身かも?って。
そして、犬のように従順に人間の命令に従うことのない、自由気ままな性格。
発情期に騒ぎ立てる鳴き声は、今の時代でも「ドキッ!」とすることがありますよね。
また、猫の繁殖能力の高さは、子孫繁栄のシンボルとして祭り上げられたこともありましたが、自由奔放な恋愛を認めない宗教からは弾圧の対象にされたことでしょう。
猫はお腹が空いていなくても、ネズミを捕り、それをいたぶって遊ぶことがあります。もしかしたら、猫がネズミを爪にかけて放り投げて遊ぶ様を、悪魔が操ってネズミを踊らせている=猫は悪魔の使い、なんて風に思われたのかも知れません。。。
黒猫の歴史秘話については、次ページで!