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ネコに選ばれた人たち4-養老流 猫になって考える(3ページ目)

鎌倉山の自然の中で、養老先生はマルくんの目を通して、何を見、感じてるのでしょう?猫が「ねこ」と理解されている人々と暮らす幸せな猫さんのシリーズ、第4回目は養老孟司先生のお宅の猫さんが登場です。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

Q:マルくんは先生にとってどんな存在ですか?

養老先生
マルくんを観察中の養老先生

「マルがいてくれて気が休まりますよ。
(マルは)神経質じゃないから。
この猫大袋があるんじゃないかってね(笑)。
大好きなの、この格好。」

「あの鈍さは貴重だね。
あれが自然な姿。
何も考えてないよ。
自分の好きにしてるだけだよ。
だから(それを見ている人間の)気が休まるんですよ。
(猫は)自分の安定をいつも追っている。
それに人も共鳴するんですね。
(猫は)一番安定した状態にいるんですよね、いつも。
人間は働かないといけないからね。」

Q:マルくんは一緒に寝るんですか?

「(たまに)ベッドの上に寝てることはあるけど、それより起こしに来る。
ハラ減った、って。
こっちが寝坊したくてもね。
つめてえんだよ手が。
鼻の頭も濡れて冷たいし。それくっつけてくるから、ヤでも目が覚めるんだよ(笑)。」

そう言って笑う養老先生、「迷惑」って顔じゃないですね。

マルくんへのインタビュー

先生は『お前は一日中寝っ転がって、ぼけぇ~っと見てるだけで、幸せ者だなぁ』なんて思ってるんだろうね。
まぁね。それが僕の仕事みたいなもんだし。

でも、こう見えても色々忙しいんだよ。
虫が来るとさ、考える前に手が出ちゃうし。
鳥が飛んでくると、体が自然と震えちゃうし。
ほら、体が勝手に反応しちゃうわけよ。
ここ、自然がいっぱいで、僕のシンケイ刺激するんだよ。

だから、一生懸命身体を舐めて、気分を落ち着かせて。。。
んで、日向ぼっこしてると眠くなっちゃう。

僕はね、僕の気持ち良いことだけやってるの。
僕が気持ち良いなぁ~ってアクビすると、先生もアクビするんだよ。
僕を見て、先生もリラックスできるのかな?

あれしろ、これしちゃいけない、っていわない先生、
僕の最高の同居人だね!

Q:犬と猫ではどちらの方が?

「僕はあんまり好き嫌いに順序は付けないのね。
犬もいましたよ。
犬はね~可哀想でね。
病気になりやすいし。
今は繋いで飼わないといけないでしょ。
猫は繋がなくても良いから。飼ってて楽でしょ。」

「室内飼いあんまり好きじゃないね。
禁煙も好きじゃないし(笑)。
犬繋ぐのも大嫌いなんだよ。
犬繋ぐようになったから、熊がでたり、猿がでたりイノシシがでたりするんですよ。
野犬がいないから。元々犬がいたから来なかったんですよ。」

「猫は飼いやすいね。
気が休まるね。怠け者ですから。」

Q:解剖学的に人間と猫に違いってありますか?

「いやね、むしろ、逆に解剖学やっていてわかるのは、要するに違わないんですよ。
同じものなの。
っていうよりも、同じにするように解剖学ってのは考えてある。
要するに、すべての動物が共通であるような要素を抽出していく、そういう学問なんですね。解剖学っていうのは。」

Q:猫の脳は人間の脳に近いと聞いたことがありますが?

「それ、全部同じですよ。
骨だってそうですからね、
基本的には同じ、って筋を立てていくわけ。
すべての動物は同じ基本的な構成からできている、そういうことが科学の筋になっているから。
どの部分をどういう風に変えたら、どういう形になるのか、筋肉とか骨とか人間の解剖を知っていれば、そのまま使えますよ。
よく似てるんですよ。」

続いて、人と動物の関わりについて→

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