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猫の色彩感覚や見える色はどんなもの?猫の目の秘密を解説

猫が見える色や色彩感覚、暗闇の中での目の色など、猫の目には様々な秘密があります。人間と違い、猫の目にはどんな働きがあるのでしょうか? ここでは、暗闇の方がよく見える猫の目の秘密、猫の色彩感覚など、猫の目に関する様々な機能を解説します。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

 

猫の目の感覚は人間とはどう違う?

猫の目の秘密を解説

猫の目の秘密を解説

ネコの目は人間の二倍の時間分解脳を持っています。
時々、TVに興味を持つネコがいますが、私たち人間には動きが滑らかに見える映像が、ネコには一コマ一コマが制止しているコマ送りに見えているようです。
人間があまり気にならない周波数50ヘルツの蛍光灯の光も、ネコにはちらついて見えているようです。
 

暗闇こそ猫の世界

明るいところでは針のような瞳孔

       

明るいところでは針のような瞳孔

      明るいところでは針のような瞳孔

少し暗いところでは瞳孔が拡がります

  

少し暗いところでは瞳孔が拡がります

      少し暗いところでは瞳孔が拡がります

ネコは明るいところよりも暗いところの方がよく見えます。真っ暗闇ではさすがのネコも不自由ですが、ほんのわずかな、星明かり程度の光でもあれば、ネコは充分見ることができます。
暗闇では人間の6倍以上よく見えているということです。

光の明暗を感じるのは桿状体(かんじょうたい)という視細胞です。桿状体は暗い場所での視力(モノクロ)を支配します。
ほとんどの夜行動物は、この桿状体を極めて多く持っています。ネコの網膜にもこの桿状体が非常に多く、人間の2倍以上、犬と比べても1.5倍以上あります。

桿状体は明るさの変化にすぐに対応できないため、明るいところから急に暗いところに行くと、すぐ完全に見えるようになるのではなく、長いときでは1時間ほど目が慣れるまで時間を要します。また、暗いところから明るい場所に移動したときもすぐに適応できないようです。
暗い場所で目がなれるまでには、人間の2倍以上の時間がかかるといわれています。

ネコの瞳孔は、光に敏感に反応し暗いところでは大きく広がり、瞳孔の面積を広げることでより光を取り入れることができます。
明るいところでは、瞳孔を縮め針のような形になります。そして、水平に閉じるまぶたで光の入ってくる量を調節します。

ネコの瞳孔は光以外にも反応し、ネコの感情を表すバロメーターにもなります。
ネコの瞳孔は、ネコが何かを待ち伏せしたり、攻撃を開始しようとするとき、威嚇するときには細くなり、びっくりしたり、興味を引かれる「もの」を見つけたとき、怒っり恐怖に駆られたときにはアドレナリンが放出されてもっとよく見ようと瞳孔が広がります。

もうひとつ、ネコが暗闇でよく見えるのはネコの網膜の後に、夜行性動物に備わっている光を反射させる特殊な層(タペタム)があるからです。これは暗いところで見た映像をより鮮明に見せる働きをします。

猫の赤い目

  猫の赤い目

ネコのタペタムの働きは人間の130倍以上の反射効果があるといわれています。
瞳孔に入った光は、水晶体を通して網膜に達し吸収されますが、視細胞に当たり損ね吸収されなかった光は、タペタムに反射され、再度網膜を通るので視細胞で光を捉えるチャンスが二倍あるわけです。

ストロボにタペタムが反射したブルーアイ

  ストロボにタペタムが反射したブルーアイ

タペタムは人間には見えない波長の短い光を、波長の長い可視スペクトルに変えて放出し、蛍光を発します。夜道ヘッドライトに照らされランランと光るネコの目、カメラのストロボに反射して緑色や赤色に写るネコの目、これらはタペタムの仕業です。

グリーンアイの場合

  グリーンアイの場合

人間の目もストロボに反応して赤く写ることがありますが、これは人間の網膜の前面と高面がおびただしい血管で覆われていて、それが写るためです。

タペタムに含まれている亜鉛は、その反射の性質を利用して鏡の製造に使われていました。また亜鉛と他の物質が結びつくと蛍光する性質は、蛍光板として、テレビのブラウン管などに利用されています。
 

猫の色彩感覚とは

以前は、ネコには色の区別が全くつかないだろう、と考えられていました。

しかし現在は、網膜状に円錐細胞が存在するので、全色盲ではないことがわかっています。様々な色彩を感じるのは感光色素を含んだ錐状体(すいじょうたい)という視細胞です。錐状体は明るい場所での視力と色の区別を行う視細胞で、錐状体がたくさんある方が明るさには早く対応できます。錐状体をたくさん持っているのは明るいところで行動することが多い動物です。

人間などはこの錐状体の視細胞をたくさん持っているので、幅広く色彩を感じることができます。

しかし、ネコの目にはこの錐状体という視細胞が少ししかなく、その大半は緑色を関知するものなので、緑色は識別できるようです。
青色を関知できる錐状体も少しあるようですが、赤外線のような長い波長光を関知できる錐状体はきわめて少ないので、赤色はわからないだろうといわれています。
ネコは紫外線、青、緑、おそらく黄色の識別はできるでしょう。

ネコ族が(ライオンをのぞき)狩りに精を出す一番多い時間帯は夕暮れ~夜間~そして明け方です。ネコの一番の獲物であるネズミなどはほとんどがグレーや砂色の保護色。赤など目立つ色の獲物は少ないでしょうし、薄暗い中で一番活動的になるネコにとって色彩はあまり重要ではないということです。

我が家のネコたちの観察経験では、かなりの色を識別できるネコもいるし、色によっての好みがあると思います。

あるネコは小さなカメのぬいぐるみのおもちゃが好きで、いつも持ってきては投げて、とせがみました。
あまりにもその小さなカメに執着するので、新しい同じおもちゃを3色・赤・黄色・緑で用意してみました。ランダムに各色を投げて遊ばせてみましたが、彼女が一番執着したのは緑のカメでした。赤や黄色のカメが隙間にはいって取れなくなると、彼女はすぐに興味を失いましたが、緑のカメだけは、じっとその場で待機して、隙間に手を突っ込んで、なんとか取り出そうとしつこく粘っていました。

また、ある子はピンクのキラキラボールが一番好きです。
こちらも全く同じ形状の様々な色のキラキラボールを用意して注意を引きましたが、例えばシルバーのキラキラボールには1~2回興味を示すだけ、でもピンクのキラキラボールだったらヘトヘトになるまで遊んでいます。

ネコがその色をどう感じているかわかりませんが、明らかに色を識別しているし、色による好みがあるように思えます。
 

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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