トルコの前菜(メゼ)
とろけるナスとオリーブが絶妙
冷たいメゼには、パトゥルジャンサラタスと呼ばれるナスのサラダがあります。丸ごと炭火焼きしたナスの皮をむいて、中の柔らかい部分をにんにく、レモン、オリーブオイルで和えたもので、とろりと口の中で溶けるナスがたまりません。店によっては、柔らかいナスの中身をつぶしてにんにくヨーグルトで和える場合も。
ブドウの葉が薄ければ薄いほどおいしい
ヤプラックサルマスは「葉の巻物」という意味で、塩漬けしたブドウの葉で米、玉ねぎ、松の実、干しブドウなどを包んで煮たもの。ブドウの葉はトルコ料理によく使われる食材で、肉入りで暖かいものと、このように肉なしで冷菜として頂くものとがあります。
暖かいメゼとしては、ケバブレストランなどでよく出てくるイチリキョフテが有名。ひき肉を挽き割り小麦で包んで揚げた、コロッケに似たものです。
トルコのスープ
トルコ料理にはスープの種類が多いのですが、一つのレストランで取り揃えているのは、たいてい1~3種程度。
■メルジメッキチョルバス
コーンスープに似たメルジメッキチョルバス
なんといってもの定番スープで、日本の味噌汁的な存在です。レンズ豆をやわらかく煮て濾したものに、レモン汁や赤唐辛子などを入れて頂きます。どろっとしていて、かなりの満腹感。
■イシュケンベチョルバス
お酒の後にはイシュケンベ
これは、牛の胃袋スープ。よく洗ってから酢やニンニクで煮込んだ胃袋を細かく刻んで卵黄、小麦粉、レモン汁、塩で煮た料理です。 このスープ、レシピを見るとちょっと見慣れない感じがしますが、実は日本のとんこつラーメンのスープに似た感じ。イシュケンベジと呼ばれる専門店で飲むことができます。トルコ人はお酒を飲み明かした後、しめにこのスープを飲む習慣があるので、まさに日本のとんこつラーメン的存在ですね!
トルコの肉料理
■シシケバブ
トルコ料理の基本、シシケバブ
なんといっても、代表格はシシケバブ。シシは「串」という意味で、ブロック状の子羊の肉を串に刺して炭火でじっくり焼いた料理のことを指します。子羊の肉以外に鶏肉のケバブもあり、これはタウックシシと呼ばれています。
■ドネルケバブ
日本でもその名を博しつつあるドネルケバブは、ヨーグルトや各種香辛料の入ったタレに長時間漬けこんで柔らかくなった肉を、何重にも重ねて回転させながらグリルしたもの。元々ドネルは「回転」という意味なのです。火が通ったら外側から削ぐように薄切りし、その肉をパンに挟んだり、ピラフの上に乗せたりして食べます。
■ウルファケバブ
トルコ風ハンバーグ、キョフテ
羊のひき肉にすり玉ねぎ、塩、こしょう、クミンなどを練り合わせ、これを焼き串にきりたんぽのように巻きつけて焼いたもの。これに赤唐辛子を入れた辛いバージョンはアダナケバブと呼ばれます。
■キョフテ
いわゆるトルコ風ハンバーグ。普通のハンバーグより小さめで、キョフテバハルというキョフテ用の香辛料ミックスを混ぜて作られます。皆に愛されている庶民の味。
トルコの魚料理
お酒によく合うカラマルタヴァ
トルコでよく食べられる魚は、レヴレッキ(スズキ)、リュフェル(アジ)、パラムット(カツオ)、ウスクムル(サバ)、イスタヴリット(アジ)、チュプラ(ク ロダイ)、黒海地方のハムシ(カタクチイワシ)など。アナトリア内陸部では川魚のアラバルック(マス)が主流です。
魚以外のシーフードでは、カラマルタヴァというイカのフライや、ミディエタヴァと呼ばれるムール貝のフライ、そしてムール貝にお米を入れて炊いたミディエドルマスなどが絶品。こうした料理はレストランのみならず、シーフードの軽食スタンドなどでもお手軽に食べられるのでうれしい限りですが、夏はお腹を壊す恐れもあるので要注意です。
尚、トルコ近海では5月1日~8月31日の期間を禁漁としており、小網や竿での釣りのみが許可されています。このため9月~4月下旬がシーフードのベストシーズン。
トルコのサラダ
■チョバンサラタス
一番ポピュラーなサラダ。キュウリ、トマト、玉ねぎ、ししとうなどを小さく角切りしたものにイタリアンパセリ、オリーブオイル、塩、レモンをかけて頂きます。
■ピヤズ
白いんげん豆のサラダ、ピヤズ
主にキョフテのレストランで食べられることが多いサラダのピヤズは、柔らかく煮た白いんげん豆を薄切り玉ねぎ、トマト、にんじん、イタリアンパセリなどと一緒に食べます。オリーブオイル以外に酢をかけることも多く、確かにキョフテに合う一品。