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パイオニア最後の9Gパネル搭載テレビ登場!(2ページ目)

パイオニア自社生産最終世代9Gパネルを搭載したテレビがついに登場しました。注目すべきは、再びチューナーを分離したこと。薄型テレビの理想像を今だから追求するパイオニアの重いがここにあります。

大橋 伸太郎

執筆者:大橋 伸太郎

テレビガイド

自身が火を点けたコントラスト競争から早くも脱し、
数値は非公開。しかし黒の伸びは一目瞭然



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家庭のリビングのやや抑え目な照明下で、KRP-500A/600Aの映像は研ぎ澄まされてくる。数値非公開だが、コントラストと黒の深さは今年も他社をリード


KRP-600AとKRP-500A 最大の見所は、いうまでもなく9G(第9世代)プラズマパネルです。昨年の8G、初代“KURO”のPDP-5010HD/6010HDは、プラズマパネルを光らせるセル底部に、通常の電極を加えて補助発光源を新たに設け、発光のパワーを増す高純度クリスタル層との併せ技で瞬発力を高めています。従来のプラズマテレビは、オフ状態でも種火(予備発光)がぼんやりと光っていたために、黒が沈みきらなかったのです。

その結果、黒輝度(つまり、黒が黒であるレベル)が前世代パネルの1/3にまで低減し、20000:1の暗所コントラストと深く締まった黒表現で進境著しい液晶陣営を突き放しました。以来、薄型テレビの世界でコントラスト数値と黒競争が始まったのはみなさんもご承知のことと思います。

昨年秋以来、薄型テレビは多かれ少なかれ、KUROを追いかけてきたのです。KRP-600AとKRP-500Aに搭載の9Gパネルは、駆動回路の改良で黒輝度を8Gのさらに1/5にまで低減しました。つまり、実力100000:1というわけですが、パイオニアは自身が火を点けたコントラスト競争の数値をもはや発表していません。

数字競争が不毛であるという思いと、映画ソフトを家庭で再現するに当たって、必要にして十分なコントラストが得られているという自信、もう一つは、画質追求の舵を絶対的なコントラストレンジから別の方向に向けた最初の製品がこのKRP-600AとKRP-500Aなのです。

昨年、PDP-5010HD/6010HDが発表されたとき、パイオニアの技術陣は、「まだまだやり残したことがある。その第一は低輝度の階調をもっときめ細かくすること」と語っていたのが印象に残っています。

8Gから受け継がれた最大の課題がこれでした。今回の9Gは駆動法の改良で低輝度領域の階調ステップ(デジタルですのでアナログのようにリニアでなく、階段状の段階があるわけです)をさらに細かくしています。

例を挙げると、映画の中で被写体が溶暗していくようなシーンで、影の部分のグラデーションが昨年の製品に比べてもっとなめらかにきめ細かく表現できるようになっています。初代KURO華々しさこそありませんが、より充実した映像を見せるのが今年のパイオニアなのです。

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KRP-500A/600Aのメディアレシーバー。地上、BS、110度ダブルチューナーを内蔵する。HDMI入力端子は1080pの60Hz/24Hzに対応して4系統を装備


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リモコンはGUI同様に、今年からパイオニアのAV機器間で統一が進められている


次のページでは、KRP-600AとKRP-500Aの「音」のよさについて紹介します
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