テレビ/テレビ関連情報

垂直配置型の新サウンドシステムNIRO SSS

薄型テレビがリビングに入って、後はオリンピックが始まるのを待つだけ。でも画竜点睛を欠いていませんか? 大画面にふさわしい広がりあるサウンドで楽しむために、シンプルなサラウンドを導入しましょう。

大橋 伸太郎

大橋 伸太郎

テレビ ガイド

オーディオ・ビジュアルの専門誌「AV REVIEW」編集長を務めた後、日本初の定期刊行ホームシアター専門誌「ホームシアターファイル」を刊行。その後、評論家として独立。現在はオーディオビジュアルとホームシアターのオーソリティとして活躍中。講演や全国系新聞での執筆やテレビ出演なども多い。

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念願のフルハイビジョンテレビを買って、後は8月のオリンピックを待つばかり。それまではレンタルの始まったブルーレイディスクで映画三昧、なーんて決め込んでいる方が多いのではないでしょうか。

楽しみをもっと広げるために、大画面にふさわしい臨場感とサウンドスペクタクルを生み出すサラウンドシステムを追加しませんか。今回はその第二回目です。

テレビを上下からサンドウィッチして
球面状の立体音場を生み出すNIROの新発明

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NIROスヘリカル サラウンドシステム \138,000(税込)/セット

今回紹介するのはNIRO(ニロー)のスヘリカル サラウンド システム(NIRO SSS)です。シンプリティと技術の独創性において第一回目に紹介したヤマハYSP-3000と双璧、音場再生手法では好一対をなす製品といえるでしょう。

NIRO(正式な社名は、niro1.com)は、カーオーディオやカセットデッキで有名な「ナカミチ」の代表取締役社長だった中道仁郎氏が、1998年に設立したオーディオメーカーです。当初はNIROSONのブランド名で高価格のオーディオアンプを少量生産していましたが、シンプルなバーチャルサラウンドシステムを発売してからは、むしろそちらの方でNIROは有名になってしまいました。

私がNIROのユニークなサラウンドシステムに出会ったのが、その前夜の同年1月のラスベガスのCEショーで、アレクシスパークホテル(コテージ形式のリゾートホテル)のウェルカムボードの掲げられた一室にふらりと立ち寄ってみると、そこが新しいサラウンドシステム“NIRO TWO 6.1”のお披露目会場でした。

この最初のNIROサラウンドシステムは、3ch分のスピーカーをワンピースに収めたユニットをテレビの水平中心軸上に前後2台設置する方式で、古参の職業軍人を髣髴させる眼光鋭い中道理氏(同社取締役、仁郎氏の実弟)が自信タップリにデモンストレーション、左右に広げた方が音場の拡大には有利、という先入観をみごとに覆されたのを今も鮮明に覚えています。

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シンプルサラウンドにはさまざまな提案と方式があるが、技術の独創性、発送の大胆さで最右翼がNIRO。上下二つのスピーカーでテレビをサンドウィッチする構成はシンプリティという点で、横長ボード方式のヤマハと並んで双璧である

NIRO TWO 6.1は日本に凱旋し専門誌で好評を得ましたが、日本の家庭環境ではスピーカーのリア設置へのアレルギーは大きく、翌年にウーファーを除く全てのスピーカーをワンボックスに収めテレビの前方に置くだけのNIRO 1.1が登場します。

これは中道仁郎氏が新たに開発した独自のS.I.Pソフトウェアから生まれたシステムで、センター、フロントLR、サラウンド×2の5つのドライバーをワンボックスにしてしまいました。目の前に置いた箱から音が左右に回りこむこの「究極のシンプルサラウンド」はインターネット直販で販売され、その手軽さから新規のユーザー層を開拓しました。

今回のスヘリカル サラウンド システムは、NIRO1.1のワンボックス構成(+ウーファー)からテレビをサンドウィッチする2ボックス構成(+ウーファー)に変わりました。地上デジタルの普及や、音質の向上を果たしたブルーレイディスクの登場に合わせ、アップ・トゥ・デートな変身を遂げたNIROサラウンドの第三ステージといえるでしょう。
*本機はHDMI入力には非対応です

次のページでは、スヘリカル サラウンド システムの試聴インプレッションをお届けします
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