第1位 周囲の環境、時間などによって、画質を自動調整
東芝 REGZA 52ZH500
52ZH500 地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタルチューナー内蔵52V型フルハイビジョン液晶テレビ。300GB HDD内蔵。最新のVA方式広視野角パネルを搭載、最初に居住地域、室内照明の種類を入力しておけば、視聴ソースと周囲の明るさに応じて画質を自動調整する。5月上旬発売 実売予想価格60万円、ヨドバシドットコム54.3万円(税込) |
薄型テレビの世界で今年前半最大の注目作が、レグザ500シリーズといってもいいでしょう。最新の画質、機能の充実度、総合的な見地から52ZH500を上半期の第一位に選びました。
旧「テレビ御三家」の東芝は、薄型テレビへの転進にもっとも慎重だったメーカーで、各社が雪崩を打ってプラズマ方式を手掛けた時期に、唯一手を出さなかったのが東芝です。当時水面下でSED方式の開発を進めていたことと、液晶の使いこなしに自信があったのが背景と推察されますが、コストや特許問題でSEDに見切をつけ、REGZAを立ち上げてからは、それまでイメージが拡散気味だった東芝の液晶テレビは躍進を遂げ、現在国内第4位の位置にあります。
今回の500系はラインによってVAとIPSを使い分けていますが、最上位機種の52ZH500は10ビット倍速120Hz広色域VAパネルを使用しています。前面板は半光沢(ハーフグレア)です。
東芝は日立と並ぶ「録画機能内蔵派」ですが、ハードディスクを内蔵するより、どちらかというとUSBやLANで外付けにすることに軸足を置いていて、フラグシップなのにハードディスクが内蔵されなかったり、日立の分かりやすさに比較してどこか煮え切らない、コンセプト優先の印象を抱かせていました。
今回のフラグシップZH500(RH500にも)は東芝製の2.5インチ300GBのHDDが収まり、シリーズのコンセプトとヒエラルヒーが明確に収斂しました。もちろん、内蔵HDDだけでなく、USBやLANでのハードディスク録画が出来ます。
統合型高画質回路の「パワー・メタブレイン」は、他社製品にも採用されて定評のある映像プロセッサーで、ファームウェアを一新しました。「シャープネスオプティマイザー」と「新パワー質感リアライザー」が新機能で、前者は高域の強調感を抑え、撮像ボケやアップコンバート時の信号の鈍りを改善し、後者は映像の最暗部から最明部までのDレンジをZ3500比較で最大10%拡大しています。
最新スペックのパネルと新開発の映像プロセッサーの組み合わせで、画質は非常に良好です。「映像のHi-Fiを狙った」という設計者のイメージ通り、ワイドレンジで素直、強調感のない液晶テレビの最先端を楽しめます。
本機には視聴中の映像の中の一部分の色をポインターで特定して、色相、彩度、明度を変えていく「カラーパレットプロ調整」があります。それがサッカー中継なら、芝生、ユニフォームなど3箇所をイコライジングして、それを登録できる非常に便利な機能です。
スポーツ番組は、映像が次々に変わっていく映画と違い、同じ色彩構成の映像が長時間続きますので、『このユニフォームの赤、芝生の色は実際とちょっと違うな、観客席の立体感をもっと出したいな』と感じたら、番組が始まった最初の5分で調整すればいいのです。同種の機能は過去にもありますが、「ビッグスポーツイベント観戦」のために用意されたようなタイムリーな機能といえるでしょう。
レグザの新500系は、「おまかせドンピシャ高画質」を搭載、周囲光や時間帯、映像信号を元に映像を自動調整するのも特徴。テレビのインテリジェント化を指向する注目の試みといえるでしょう。
画質 ★★★★☆
音質 ★★★☆
機能 ★★★★★
CP ★★★☆
総合 ★★★★★
*CP=コストパフォーマンス
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【関連リンク】
・東芝 REGZA 52ZH500
・ビクター EXE LT-47LH905
・パナソニック VIERA TH-50PZ800
・ソニー BRAVIA KDL-46F1
・日立 Wooo UT37-XP770W/B