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環境に合わせ変貌するレグザ500系の衝撃

テレビの実力者・東芝の新しいレグザ500系は、視聴環境とコンテンツに合わせてテレビが自分で時々刻々と画質調整を行う、「インテリジェントテレビ」。環境との一致を図った新コンセプトといえるでしょう。

大橋 伸太郎

執筆者:大橋 伸太郎

テレビガイド

リビングの環境と番組に合わせて
「世界に一つだけ」の画質へ自動調整する
インテリジェントテレビ


東芝の液晶テレビ「レグザ」がモデルチェンジ、新しい500系がデビューしました。東芝は、パナソニック、ソニーと並び称される往年の「テレビ御三家」の一角でした。

ブラウン管から薄型テレビへの本格的な転換に慎重で、ソニー、ビクターを初め各社が雪崩を打ってプラズマ方式に参入した時期に、一度も手掛けなかったのも東芝です。液晶方式の商品技術に自信を持っていたことに加え、プラズマに手を出さなかった理由の一つには、水面下でSED方式の開発を進めていたことも挙げられます。

液晶テレビの生産を本格的に始めた当座はやや製品イメージが散漫でしたが、特許問題と生産コストでSEDに見切りを付け「レグザ」を立ち上げるや、テレビ作りの持てる実力を発揮、瞬く間にシャープ、パナソニック、ソニーに次ぐ国内薄型テレビの第4位メーカーに返り咲きました。

今回東芝が発表した新しい500系は、今年春の液晶テレビの最大の話題作です。500系は「超薄型」でも「狭額」でもありません。外観上目を惹く目新しさはありません。しかしその中身、テレビ作りのコンセプトと思想に新しさがあるのです。

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46ZH500 地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタルチューナー内蔵46V型フルハイビジョン液晶テレビ。HDD内蔵。予想実売価格50万円 5月上旬発売


新レグザ500系の特長は、ユーザーの視聴環境をテレビ側が認識して、これまでユーザー任せだった画質を適宜、自動調整します。これは、自社製品ユーザーの58%が画質モードを購入以来一度も変えたことがない、という衝撃の!? 調査結果から企画されたもので、東芝では「おまかせドンピシャ高画質」と少々泥臭いネーミングで命名しています。

パイオニアのリビングモードを代表に、各社が自動調整機能に取り組んでいますが、東芝のそれは従来になく意欲的で徹底したものです。

レグザ500系を購入したユーザーは、最初に居住地情報と、テレビを使用する部屋の照明が蛍光灯色か電球色かを入力します。テレビ側はカレンダー情報、時刻情報を元に、設置場所の日の出、日没時間を把握し、照明を使用していると考えられる時間を算出し、その照明使用時間中にはテレビの色温度を自動調整します。

次に「明るさセンサー」で視聴環境の照度を把握し、その環境に相応しい画質に自動調整します。さらに、映像がビデオ素材か映画ソフトのフィルム素材を識別し、同時に映像の明るさをリアルタイムで一画素毎にヒストグラム解析し、視聴中のコンテンツに相応しい画質に自動調整するのです。その結果、既存のプリセットされた画質モードのどれかに行くのでなく、どこにもない「世界に一つだけの」独自の画質がその都度設定されるのです。

一方「おまかせ」であるにしても、ユーザーにカスタマイズの余地がちゃんと残されていて、「明るさ調整」のグラフを画面に出画して、輝度調整ができます。また「ヒストグラム表示」のグラフを出画して、映像の一コマ毎のヒストグラム解析を見たり、「質感リアライザー」で映像のガンマ特性(映像の黒から白までの明るさの特性)の変化をモニターし、ユーザーが調整もできる機能を搭載しています。

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52ZH500 地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタルチューナー内蔵52V型フルハイビジョン液晶テレビ。HDD内蔵。予想実売価格60万円 5月上旬発売


何だか、難しそう、とお思いになるかもしれません。しかし、こうした仕事の一切を、テレビが「私に任せて!」と一人でやってくれるのです。私はこのレグザ500系に「インテリジェントテレビ」の名を与えたいと思います。

超薄型も狭額もある意味、テレビが性能の差が少なくなり「環境」を志向している表れです。そうした大きな流れの中で、東芝の新レグザ500系は他社のようにデザイン、設置性でなく、映像と環境の生理的な一致を志向したテレビといえるでしょう。

次のページでは、レグザ新500系のラインナップについて紹介しましょう。
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