ハードディスク録画機能搭載機種を含め
豊富なラインナップ。
コンテンツの持ち味を生かす素直な画質
先に東芝はシャープから液晶パネル供給を受けることを発表したが、500系はIPS製パネルとシャープ製VAパネルが混在してのスタートになります。東芝は日立と並ぶ録画機能内蔵派です。パネルのグレードと録画機能の有無を中心にラインアップ研究をしてみます。
500系は、4シリーズ10モデルで構成されます。
ハードディスク内蔵ネットワーク録画モデルZH500(52ZH500、46ZH500)は、フルハイビジョン120Hz(倍速)駆動10ビット広色域VAパネルを搭載しています。前面板は半光沢です。
ネットワーク録画モデルのZV500(42ZV500、37ZV500)は、同様にフルハイビジョン120Hz駆動10ビット広色域ですが、IPSパネルを採用しています。前面板は半光沢です。
ハードディスク内蔵録画モデルのRH500は、42RH500がフルハイビジョン120Hz駆動10ビットIPSパネルで前面板が半光沢、37RH500がフルハイビジョンIPSパネル、32RH500はハイビジョンVAパネルという構成です。
シンプルモデルのCV500は、42CV500がフルハイビジョンIPSパネル、37CV500がフルハイビジョン60HzIPSパネル、32CV500がハイビジョン60HzVAパネルです。
46ZH500。ZHシリーズは、東芝製の2.5インチHDD録画装置を本体に内蔵。容量は300GB。前機種の“Z3500シリーズ”に採用された外付のUSB/LAN HDDへの録画機能も持つ |
録画機能を持たないシンプルモデルCV500は、42CV500、37CV500がハイビジョンIPSパネル、32CV500がハイビジョンVAパネルとなります。
新シリーズでは、ZH500の二機種とRH500の3機種に300GBの東芝製2.5インチ(300GB)ハードディスクを搭載、6月2日から運用開始のダビング10(注1)にも対応しています。
レグザはハードディスクとチューナー部を内蔵する一体型ですので、設置方法によっては日立よりこちらが便利かもしれません。前面板はZH500とZV500のみが反光沢ハーフグレア仕上げとなりました。
52ZH500。ZHシリーズは、半光沢処理を施した広色域10ビット駆動対応のフルHD倍速液晶パネルを使用。これはVA方式である。ハードディスク外付のZV500ではIPS方式 |
東芝の画質プロセッサー・メタブレインプロは、他社の薄型テレビにも搭載されている優れた統合処理回路ですが、今回の500系では画質をコントロールするCPUのファームウェアを一新、新境地の映像を手にしています。その二本柱が「シャープネス・オプティマイザー」と「新パワー質感リアライザー」です。
標準画質時代、テレビの映像には輪郭を強調してメリハリを出すシャープネスが画作りに欠かせませんでした。しかし、ハイビジョン時代になりその意味合いに変化が生まれています。つまり、標準画質とハイビジョンでは、同じ画質では見づらいのです。「シャープネス・オプティマイザー」は、主に映像毎にシャープネスを自動調整し、鮮明でありながらギラつきを抑える回路です。
もう一つの「新パワー質感リアライザー」は、映像の非常に明るい部分、100RE以上でも白側のダイナミックレンジを有効活用できるようになりました。顔に明るい光が当たって輝いているシーンでも、色が抜けることがありません。同時に暗いシーンの黒潰れを防ぎ、ほの暗いシーンの階調表現を向上させています。
他にテレビの音量の変化に自然に対応する「ドルビー・ボリューム」を搭載、ネットワーク関連も「アクトビラフル」に加え、「ひかりTV」に初めて対応しています。ここで新500系のラインナップを紹介してきましょう。
■「ZH500シリーズ」 ハードディスク内蔵ネットワーク録画モデル
52ZH500 52V型 5月上旬発売/オープン価格(予想実売価格60万円前後)
46ZH500 46V型 5月上旬発売/オープン価格(予想実売価格50万円前後)
■「ZV500シリーズ」 ネットワーク録画モデル
42ZV500 42V型 6月中旬発売/オープン価格(予想実売価格40万円前後)
37ZV500 37V型 6月中旬発売/オープン価格(予想実売価格35万円前後)
■「RH500シリーズ」 ハードディスク内蔵録画モデル
42RH500 42V型 7月上旬発売/オープン価格(予想実売価格40万円前後)
37RH500 37V型 6月上旬発売/オープン価格(予想実売価格30万円前後)
32RH500 32V型 6月上旬発売/オープン価格(予想実売価格23万円前後)
■「CV500シリーズ」 スタンダードモデル
42CV500 42V型 7月上旬発売/オープン価格(予想実売価格25万円前後)
37CV500 37V型 5月中旬発売/オープン価格(予想実売価格23万円前後)
32CV500 32V型 4月下旬発売/オープン価格(予想実売価格16万円前後)
往年の東芝のテレビはシャープな解像度志向という点で、ソニーと双璧でしたが、今回のレグザ500系を内覧で短時間視聴した印象は、素直で強調感のないバランスの取れた映像です。
開発担当者の方は、「映像のHi-Fiを狙って作った」と話しておられましたが、映像ソフトそれぞれの持ち味に寄り添い、情報を損なわず飾らず、きちんと出していく端正な画質に好感が持てます。近い内に「おまかせドンピシャ高画質」の動作まで含めた使いこなしの報告をしてみたいと思います。
今回の新レグザ500系は、環境との一致にかつてないほど意欲的に取り組んだ最初のテレビです。その取り組みは緒に付いたばかりですが、テレビの進む方向を正しく示しています。
「どうも、リビングでテレビを見ていてどうも、疲れる」「リビングの照明の下で見るテレビの映像があまりキレイでない」と悩んでいるあなたなら、この新レグザ500系は必見の製品ではないでしょうか。
【関連リンク】
・東芝レグザホームページ