ブルーレイディスクへの記録時に、
大きな利便性を実感させる「HEモード」
我が家に到着したDMR-BW900を開梱して取り出してみると、スリムさに驚かされます。搭載されている技術の密度や機能の充実ぶりから、もっと重厚な録画機を想像してしまうのです。セットアップは非常にカンタンで我が家のメインディスプレイの日立P50-XR01にAVアンプを経由してHDMIケーブルで接続しました。
ガイド宅に到着したDMR-BW900。セッティングと初期設定はおどろくほどカンタン |
DMR-BW900で私が最初に録画した番組は、画質の鮮度という点からNHK BSデジタル放送(103ch)の「ウィーンフィルのニューイヤーコンサート」「ライザ・ミネリ・イン・コンサート」(HDDに記録済み)、そして同じく大河ドラマ「天承院 篤姫」です。
「ウィーンフィル」は、画質・音質判定用のテストソースとしてこれから仕事で使いますので、HEモードの4倍録りではなく、あえて放送信号のまま録画するDRモードを選択しました。
この番組は、放送時間が2時間50分ありますから、ブルーレイディスクにMPEG-2 TSのまま記録するなら、2層式(DL)ディスクでないと録画できません。手持ちのブランクディスクが1層ばかりでしたので、大船のヤマダ電機でBD-REを購入しました。
HDDに保存済みの<ウィーンフィルのニューイヤーコンサート2008をマクセルのBD-RE(書き換え対応ディスク。2層50GB)にムーブ。画質はDR(MPEG-2 TS)を選択 |
マクセルの50GBが実売価格5,480円。約4時間20分撮れるといっても、ブルーレイの映画ソフトが4,980円ですから、ウーン、ちょっと高いな。
「HEモード 4倍録り」ならフルハイビジョンのまま1層ディスク(25GB)に約9時間できますから、3年分撮れてしまう! 仕事に使うわけではない一般ユーザーの場合、確かにこちらが本命でしょう。パナソニックの炯眼に恐れ入った次第です。
「篤姫」を選んだ理由は、日本人俳優が演じる高画質のドラマが、画質を判定するのにもっともわかりやすいからです。これからしばしば録画することを前提に、こちらはHEモード(つまり4倍録り)でTDKのBD-R(25GB)に録画しました。この場合、約9時間撮れますので、約2か月分の録画が出来る計算です。
NHK BS103の「篤姫」をTDKのBD-R(一回記録)に今回の目玉であるHEモード(MPEG-4 AVC)で録画。25GBのディスクに約2か月分を録画できる計算だ |
さて、DRモードとHEモードの二つの方式で録画した両番組の画質、音質はどうだったでしょう。
放送のデジタル信号をそのまま録画するDRモードの「ウィーンフィル」は、完璧な再生画質が楽しめます。我が家のフルハイビジョンテレビ日立P-50XR01で視聴すると放送時、さらにHDDでの画質、そしBD-REへムーブした後の画質に劣化はまったくみられません。
我が家の3管式プロジェクターではまだ、視聴してませんが、後日、フルハイビジョンの液晶とSXRDのプロジェクター5機種の画質判定に、この「ウィーンフィル」「ライザ・ミネリ」をテストソースに使いましたが、プロジェクターの性能がよいほど、情報量が無尽蔵に引き出されてきます。AAC5.1ch音声についても、アンプやスピーカーの音質判定に使える、文句なしのリファレンスグレードです。
HEモードで録画した「篤姫」はどうだったでしょうか。再生してみると、こちらも素晴らしい画質です。25GBのディスクにフルハイビジョンで9時間も記録できてこの画質なら、文句はありません。
しかし、職業柄、画質を凝視することが習い性になっている私です。主演の宮崎あおいさんのフェーストーン(顔の肌の陰影による微妙な階調の変化)に、オンエアとの僅かな差が認められることに気付きます。本機のMPEG-4 AVCエンコーダーがいかに優れているといっても、やはり、再エンコードした時の情報の微妙な変化は避けられないわけです。
しかし、これは、そういう重箱の隅をつつくような見方をした時の話です。エンドユーザーにとって、「フルハイビジョン4倍録り」がもたらす快適な使い勝手と経済的ベネフィットにいささかも変りはないのです。
次のページでは、本当はこっちをいいたかったのですが、DMR-BW900でブルーレイソフトを再生した時の「驚愕の高画質」について紹介します。