癒しの旅/関西の美食旅

ズワイガニを求め東奔西走(津居山ガニ編)(2ページ目)

西日本の港に水揚げされる極上のズワイガニを求め、西へ東へ。今回は、城崎温泉にほど近い津居山港で水揚げされる津居山ガニをご紹介します。

執筆者:岩佐 十良

仲買人直営だからこの安さ!
1泊2万円で地ガニを堪能

主人
この値段で地ガニを使えるのは、主人が仲買人だから。宿に予約が入っていなくても、必ずセリに出向き相場を確認する
「えの本」では地ガニ1杯半を使って2万円!という料金設定だ。
そのヒミツは、 ご主人の榎本富一さんが、津居山港の仲買人という顔も持っていることにある。

「大きめのオス1杯に、メスか小さめのオス半分を使ったフルコースがうちの料理の基本。まあ、普通の宿やったらこの金額は無理やろな。うちは、ワシが仲買だから、それができるんや」

津居山のカニは、上物だと浜値でも1杯1万円以上。
ちょっと見栄えのいいカニなら2万円を超してしまう。
年末やシケが続けばそれ以上になることもあるが、断固として「時価」にはしない。


ミソの甲羅焼き
「ミソの甲羅焼き」。活ガニを直前にさばく。カニは水槽保存だが、長期保存はしないため身詰まりは完璧
「そういう時は、足折れとか、味に支障がなくて安い物を選ぶ。それでもだめならワシが泣く、というより家族が泣く(笑)。見てみぃ。儲からなそうな家やろ?」

たしかにその通り。最近では民宿とはいえ、旅館顔負けの設備を持つ宿が多い中で、「えの本」は昔ながらの民宿。
これだけ立派なカニを使っていれば、立派な建物など建つわけもない。
宿に悪いような、嬉しいような……。

「津居山ガニの本当の美味しさをわかってもらえれば、それでええ。そんな宿が一軒くらいあってもええやろ?」

確かに……。
穴場をお探しの方はぜひ!
オススメです。

<DATA>■えの本
外観
正真正銘の民宿。「施設よりも料理」という本当の食いしん坊におすすめの宿だ

所在地:兵庫県豊岡市田結1806TEL:0796-28-2856交通・アクセス:JR山陰本線城崎駅から送迎あり(要予約) 播但連絡道和田山ICから約1時間。または舞鶴自動車道春日ICから約1時間30分地図:Yahoo!地図情報 HP: えの本施設:和7室(全BTなし)、家族風呂1料金:1泊2食¥22,050~(輸入ガニコース¥15,735)、食事のみは¥4,200引き冬期以外1泊2食¥10,500~チェックイン・アウト:15:00/10:30
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