寺・神社/季節ごとのおすすめ寺・神社

ご存知ですか?除夜の鐘の常識と楽しみ方(4ページ目)

大晦日には、神社やお寺でさまざまな行事が行われます。今回は、年越の大祓い、除夜の鐘、二年参りなど、伝統的な年末行事の由来や楽しみ方をご案内します。

吉田 さらさ

吉田 さらさ

寺・神社 ガイド

お寺、神社、仏像、宿坊に関する単行本と雑誌記事をメインとして執筆と写真撮影をしています。「散歩の達人」、「一個人」、「文藝春秋」。「クレア」など、幅広い読者層の雑誌に執筆経験あり。朝日カルチャーセンター新宿校にて「吉田さらさのふわり寺町めぐり」など、各種講座も開催中。

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知恩院和順会館は
立地も設備もナイスな宿坊です

昼間の知恩院本堂。境内の杭は、除夜の鐘見物の行列を整理するためのもの
知恩院は、浄土宗の総本山。祇園からも近く、徒歩圏内に見どころいっぱいの好立地。建物も近代的で部屋も広くて居心地もばっちり。家族連れでも気軽に泊まれるお勧めの宿坊です。その上ここは、数少ない年末年始も営業する宿坊で、とりわけ大晦日は、普段よりも門限を遅くして、夜中の外出にも対応してくださると聞き及び、勇んで予約電話をかけたのでした。

「一人で大晦日に泊まりたいんですけど」


夜になると、巨大な知恩院の三門がライトアップされます
普通の宿では、こんなことを言ったら、「うちはお一人様は受けておりません。しかもあんた、一番のかき入れ時の大晦日に何言ってんの?」と、すぐに切られてしまいます。しかし、知恩院さんは、「はいはい、どうぞどうぞ」と実にお優しい上に、「お一人様割増」もありません。(年末年始の特別割り増し料金はあります)

まずは知恩院の除夜の鐘

たくさんのお坊さんが、鐘の下にもぐりこむようにして撞きます
和順会館の部屋は、広くてテレビもあって、とてもくつろげますが、今日は大晦日なので、おちおち座ってはいられません。知恩院の除夜の鐘は、京都で一番早く、11時前には撞きはじめます。これは、一般人が撞くのではなく、鍛錬を積んだお坊さんたちが撞きます。

あちこちから観光バスが来て、広い知恩院の境内を埋め尽くすほどの人出です。グループに分けての見学になるので、なるべく前の方にいないと、なかなか順番が回ってきませんからご注意。実際これはすごい迫力のあるパフォーマンスです。鐘があまりにも巨大なので、お坊さんは鐘の下にもぐりこむようにして、かけ声とともに、渾身の力を込めて撞きます。転びそうになるお坊さんすらいる、危険なほどのものなのです。その鐘の音と言ったら、本当に腹に染み渡るほど。これはやはり、一生に一度は見なければいけません。

次は自分で除夜の鐘をつく

青蓮院は、知恩院の近くの瀟洒な寺
知恩院の見学を終えたら、次は、自分で除夜の鐘がつけるお寺に回ります。今回は、青蓮院というお寺を選びました。青蓮院は、知恩院から徒歩すぐの、庭園が美しい寺です。こちらの除夜の鐘は人数無制限で、当日に並べば撞けます。除夜の鐘が撞ける寺は、知恩院の近くにいろいろありますが、事前予約や整理券が必要な場合も多いので、ご注意ください。

青蓮院では、まず、お堂で僧侶の方がお経を上げ、その後、偉い僧侶の方から順に撞きます。続いて、並んで待っていた一般人が撞きます。夜のお寺はすごく寒いけれど、なかなか厳粛な雰囲気です。一度は除夜の鐘にトライしてみてください。

●京都で除夜の鐘が撞けるお寺リストはこちらです。
次のページは年が明けてからも、まだまだ続く除夜のお楽しみです。
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