寺・神社/奈良の寺・神社

10月~11月の奈良、イベントとお勧めツアー(2ページ目)

いよいよ本格的な秋がやってきました。奈良公園などでは、10月?11月に、数々のイベントやお寺の特別開帳、正倉院展などが行われて賑わいます。それらを効率よくめぐるお勧めツアーもあります。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

奈良公園の鹿は
どんな暮らしをしているの?

小鹿たちはこんなにかわいいが、大人の鹿は意外と危険?
奈良の鹿は基本的に野生で、餌付けはされません。したがって、餌は自分たちで確保します。

鹿は30~100頭のグループを組んで行動します。眠るときは山の近く、昼間は、西の餌場や休場を巡回します。発情期以外は、オス・メス別々で行動しています。1日の行動半径は3~4キロといわれています。食べものは主に公園内の芝や雑草、木の葉や実など。

傷ついた他の鹿や人を襲う鹿は鹿苑に集められ、(財)奈良の鹿愛護会が日常の世話や治療をしています。これは奈良の鹿を保護育成する目的で設立された団体で、春は妊娠している母鹿を野犬や人間から守り、秋は雄鹿の角伐りをします。

奈良公園の鹿はおじぎをする

食事中の鹿たち
奈良公園の鹿たちは、人間の食べ物も大好きで、餌をくれそうな人を見つけるとお辞儀をします。

というのは、まだのどかだった時代のことで、近年では、鹿にあげるつもりではないお菓子を奪い取ったり、いきなりやってきてバッグに鼻先を突っ込んだりするあつかましい鹿も多くなっています。奈良公園内でも、あまりひと気のない場所を歩くときは、むやみにバッグの中に手を入れない(鹿が何かくれると勘違いする)、かわいいからと言って小鹿を撫でたりしない、写真を撮ろうとして近づき過ぎないなど、鹿に襲われないように十分注意せねばなりません。

鹿せんべい売りだけは
襲わない鹿たち

鹿せんべいの主原料は米糠と小麦粉です。だから人が食べても大丈夫。砂糖や香辛料は鹿の体に害があるので、味はついていません。人間の食べるお菓子は、その点で鹿にはよくないのに、あげるつもりでなくとも勝手に奪い取ってビニール袋ごと食べてしまう鹿がいる。これは大きな問題ですね。

また、とても不思議なことに、これだけ食い意地が張った鹿たちも、店頭においてある鹿せんべいだけは、けっして食べません。店の人が見張っているときでなくとも、鹿たちは、店頭においてある鹿せんべいには見向きもしないし、店の人を襲うこともけっしてないのです。

しかし、観光客が買った鹿せんべいは喜んで食べます。鹿と鹿せんべい売りの人々は、このように上手に共存しています。
鹿は鹿せんべい売りの人は襲わず、買った人にお辞儀をしてから食べる

10月は角きりの季節です

春の鹿は、まだ角が小さい
鹿の角きりは、鹿たちが互いに傷つけあったり、人間を襲ったりすることがないようにと、江戸時代初期から始められたもので、一種の伝統行事ともなっています。角は、オス鹿だけに生え、毎年春ごろに生え始め、成長します。

2008年の「鹿の角きり」行事
●日時 10月11日(土)・ 12日(日)・13日(月祝) 
12: 00~15:00 (入場14:30まで)
(開場11:30~安全祈願祭執行後、角きり行事開始)
雨天の場合、中止することがあります。

●この秋、わたしが同行する奈良ツアーの情報はこちらです

次のページは、秋の奈良最大のイベント、正倉院展についてです
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