寺・神社/京都の寺・神社

京都の紅葉はここが穴場だ!その1.西山編(4ページ目)

日本一人気のある京都の紅葉。しかし、市の中心部の有名な寺には観光客が集中し、風情ある景色を楽しめません。今回は二度に渡り、比較的人出が少ないがたいへん美しい秘密の穴場をご紹介します。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

西国三十三ヵ所の寺
善峯寺

山の上なので空気が澄んで、紅葉がいっそう映えます
善峯寺は山の上にある規模の大きな寺です。西国三十三ヵ所観音霊場の一つで、四季を通してお参りの人が多いせいか華やかな雰囲気もあり、建物も見ごたえがあります。勝持寺や大原野神社からは、健脚の方なら歩いて行けなくもないでしょうが、山登りがちっときついので、向日町からバスで行くほうが無難かもしれません。

かなり高いところにあるため、周辺の景色も雄大で、素晴らしい紅葉が望めます。ここはゆっくり時間をとって、たくさんあるお堂にお参りしながら、境内全体を歩いてみたいですね。

善峯寺の山門。三十三ヵ所のお寺は、たいていがこのように立派な門を持っている

善峯寺のホームページはこちらです。

大奥の主、
桂昌院が再興

最古の多宝塔は17世紀の建物です
十一世紀の前半に源算上人がこの地に小堂を建て、自作の十一面千手観音をまつられたのに始まります。歴代天皇の崇敬あつく、中世 には「西山宮」と称する門跡寺院となり、五十あまりもの堂塔を有する大寺院となりました。

しかし、応仁の乱(1467~77)の際に兵火を受けて焼け、現在の諸堂の多くは、江戸時代に徳川五代将 軍綱吉の母である桂昌院の援助によって再建されたものです。 この桂昌院さんは、当時、大奥最強の女性として権力をふるい、元禄バブルに乗じて無駄使いをしまくった人として有名ですが、信仰心が厚く、京都や奈良のお寺の再興への援助を惜しまなかった方でもあります。

実際、寺めぐりをしていると、あっちこっちで、「この建物は桂昌院によって再建された」という説明書きを見つけることが多いです。有名どころでは、奈良の長谷寺や京都の清涼寺などです。桂昌院さんは、貴重な文化財である寺を保護し、後世に伝えてくれた尊敬すべき女性でもあるのです。

寺宝館文殊堂

規模の大きなお寺なだけに、文化財も豊富です。それらの多くは文殊堂という建物内で保管され、春と秋に公開されます。仏像、絵画、工芸品などたいへん優れたものが多く、とても見ごたえがあります。10月の土日祝日、11月から12月初旬までは前日公開されるので、紅葉見物の際は、忘れずにお立ち寄りください。桂昌院さんゆかりの品もありますよ。
高いところにあるので、街の景色も一望できます

次のページは長岡京の光明寺です。西山地域では、もっともメジャーな紅葉の名所です。
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