お朝事は、日の出の時間に
あわせて行われます
まだ薄暗いうちからご案内が始まる。善男善女と言うが、兄部坊ご一行はほとんどが善女だった |
お朝事の開始時間は、日の出に合わせて分単位で変わります。6月から8月は5時半くらいからなので、各宿坊を出るのは5時15分くらい。超早起きですが、夏の朝はとても気持ちがよく、ご近所の人たちも、すでに犬を連れて散歩に来ていらっしゃいます。善光寺の最大の魅力である「お朝事」。これに参加しなければ、宿坊に泊まる意味なし。がんばって起きよう。
お数珠頂戴が大人気
お朝事の前後には、善光寺住職(男性のお貫主さま、女性のお上人さま)が本堂を往復する際、参道にひざまずく信徒の頭を数珠で撫でて功徳をお授けになる「お数珠頂戴」の儀式があります。善光寺は、女性もお参りできる寺だったためか(昔の仏教では、女性を排除する傾向があった)、女性の僧侶も重要な地位についていらっしゃるようです。法要の前後には、偉いお坊さんが、頭を数珠で撫でてくださる |
お勤めは、天台宗式と
浄土宗式の二種類
善光寺のお朝事は、1時間ほどと長めです。先に書いたように、善光寺は特別な宗派に属してはいませんが、天台宗と浄土宗の二つの宗派の山内寺院があるので、法要も二つの宗派の方式に従って行われます。まずは天台宗の声明があり、次に浄土宗の「南無阿弥陀仏」が唱えられます。このへんの違いは、わたしほどのベテランになれば、「ははぁ、なるほど」とすぐにわかるのですが、初心者の方が聞き分けるのは、ちっと難しいかなぁ。
法要は、この立派な本堂内で行われる。内陣に入らない人も、外陣から見学可 |
真夏の怪談、いや、
お戒壇めぐりをしよう
法要を終えてお帰りになる僧侶の皆さん。お朝事は、365日、毎日行われる |
わたしは、善光寺以外のお寺でも戒壇めぐりをしたことがあります。しかし、何度やっても、怖くて怖くてたまりません。だって、こんな狭くて1cm先も見えないところで地震が来たらどうするの???しかもわたし、閉所恐怖症なんです。それなのに、何で性懲りもなく戒壇めぐりをしてしまうかというと、それはやっぱり、極楽成仏したいからだね。
しかし、今回は、宿坊の方に先導していただき、「次、右に曲がりますよ」などと声をかけてもらったので、何とかパニックを起こすことなく、肝心の錠前に触ってくることができました。これでご本尊様とのご縁が結ばれ、極楽成仏が約束されたのです。めでたし、めでたし。
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