寺・神社/東京の寺・神社

見ごろは7月初旬まで。明治神宮の花菖蒲(4ページ目)

東京一のパワースポットと言われる明治神宮。6月中旬?7月にかけては、御苑の花菖蒲が見ごろになります。境内を散歩したら隣の代々木公園にも行き、咲き誇るバラも楽しんでください。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

東京一の
脱力スポット

ドコモタワーが見える東京一の癒しスポット
それは、参宮橋側の入り口から入ったところにある宝物殿前の池です。なだらかなスロープになっていて、天気のよい日は、皆、ここで昼寝をしたり本を読んだり、お弁当を食べたり。

池には珍しい野鳥も遊びに来るので、大きな双眼鏡やカメラを手にしたバードウォッチャーの姿も見られます。回りにはビルがたくさんあるのに、ここだけが空が大きく開けて、すごく気持ちがいい。ここはパワースポットというよりも、思いっきり脱力して癒される場所なのだ。

カモのカップルも遊びに来ます
ヘラオオバコという植物。雑草もよく見ると美しいね

実は農村だった
代々木周辺

池のほとりにある巨石。どこか飛鳥の亀石にも似て、パワーを発しているように思われる
今は東京のど真ん中というイメージの明治神宮ですが、昔のこのあたりは、「代々木野」と呼ばれ、武蔵野の一部で、草深い原野に山野草が咲いていました。その後、熊本の加藤家の下屋敷ができました。

周辺の、原宿村、代々木村、上渋谷村などでは、米、麦、蕎麦、ナス、大根、にんじんなどを作って江戸の中心である神田や日本橋に出荷していました。明治になって大名屋敷の多くは空き家となり、青山周辺などは市街地化が進みましたが、原宿村などは、明治中期ごろまでは田園風景をとどめていたそうです。

そういえば、参宮橋方面に出て少し歩いた線路沿いに、動揺「春の小川」の碑もあります。岸のスミレやレンゲの花にささやきながら流れるあの小川は、実は、代々木村にあったものなんです。その川は、東京オリンピックのために暗渠になって、今は見られません。

ここに永遠の森を作ろう

大正時代になって明治神宮を建てることになり、学者さんたちは考えました。神社と言えば杉の木がお約束だけれど、東京の気候では杉は育ちにくい。それよりも椎・樫などの照葉樹を植えて、自然に再生していく永遠の森を作りたい。
樹木も自然なら、その下に生える植物も自然。こんなに可憐な花も咲く
確かに明治神宮の森は、杉の巨樹が整然と並ぶ伊勢神宮などと違って、天然感のある雑木林です。秋に行くとドングリがたくさん落ちていて、それが翌年に眼を出して育ちます。学者さんたちは、「このあたりがすっかり都市化された百年後に、ここに自然の森が残るように」と考えたのですが、その企画は大成功したようです。

●永遠の森計画については、こちらもごらんください。

次のページは明治神宮のさらなる見どころとお土産についてです。
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