大迫力の護摩祈祷
護摩祈祷に参列する三人の美女 |
わたしはこの儀式が大好き。景気よくぼうぼうと燃える火を眺めながら願いごとを念じると、本当に叶うことが多かったからです。多くの寺では不動明王にお参りしますが、こちらは毘沙門天がご本尊。毘沙門天の前で護摩を焚くのは、ちょっと珍しい気がします。
護摩木を火にくべ、煩悩を焼き尽くします |
密教では、印契や真言の持つ深い意味を一般人に教えてはいけないことになっているので、袖の下などに隠して行われる場合が多いのですが、こちらのご住職は、「先代の住職も表に出してやっていましたから、自分もそれにしたがっています」とのこと。ご住職の指は、まるでそれだけが別の生き物のように、次々と不思議な形を作ります。指が長くて美しく、ついつい見とれてしまいます。
■護摩祈祷についてもっと知りたい方は江戸の人気観光地 成田山を楽しもう 後編 もごらんください。
ご利益いっぱいの
大般若祈祷
次は、昨日夜景を眺めた本堂に移動し、大般若祈祷を受けます。大勢のお坊さんが大般若経という経典をアコーディオンのように開く動作をする儀式で、全部で六百巻以上ある大般若経をすべて詠んだと同じ功徳があります。なかなか大がかりなものなので、毎日のご祈祷でこれをやってくださるお寺は、めったにありません。その上、ひとりひとりの住所と名前まで読み上げてくださり、これまたものすごいご利益がありそう。いや、実際に、この旅から帰ってすぐに、仕事関係のいいことがたて続きました。本当にここは、商売繁盛の「儲かりまっか」のお寺なんだなぁ。威勢のよいかけ声とともにお経をアコーディオンのように開く大般若祈祷 |
真っ暗闇体験の後、
さらなるお参り
ご祈祷と戒壇巡りのあとは、山内にある諸堂を巡ってお参りします |
金集弁財天というわかりやすいネーミング |
それにしても、信貴山には、ご利益スポットが多いこと多いこと。これだけ何度もお参りをしたら、どれだけたくさんのご利益をいただけることか。ここは「儲かりまっかのお寺」どころか、「ご利益シャワーが天から降り注ぐお寺」だったのです。しかしやっぱり、ご利益ばかりを求めていては、ダメでしょう。それ以前に、きっちりお参りして、清らかな心を育てなければね。
次のページはさらに続く尼僧修行ルポ。修行はやっぱり、掃除と写経がお約束です。