寺・神社/東京の寺・神社

浅草と三社祭(5月15?18日)の謎その1(4ページ目)

もうすぐ、東京最大のお祭の三社祭が始まります。ところで、その「三社」って何だか知ってますか? 知っているようで案外知らない浅草寺の創建と歴史について、簡単におさらいしておきましょう。

吉田 さらさ

吉田 さらさ

寺・神社 ガイド

お寺、神社、仏像、宿坊に関する単行本と雑誌記事をメインとして執筆と写真撮影をしています。「散歩の達人」、「一個人」、「文藝春秋」。「クレア」など、幅広い読者層の雑誌に執筆経験あり。朝日カルチャーセンター新宿校にて「吉田さらさのふわり寺町めぐり」など、各種講座も開催中。

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被官稲荷神社

奉納された狐像
昔、新門辰五郎という人の妻が重病で床に伏したとき、京都の伏見稲荷神社に祈願したところ、その効果あって病気は全快しました。そのお礼の意味で、伏見稲荷神社から祭神御分身を当地に勧請し、被官稲荷神社と名付けられました。被官とは官を被(こうむ)る、ということから、就職や出世にご利益があると言われます。奉納してある小さな狐像がかわいい。


六角堂

六角堂は東京最古の建物
一説には、室町時代の建立とも言われ、都内でも最古の部類の建造物です。江戸時代の度重なる火災、関東大震災、空襲など、幾多の災害にも負けずに今まで残っている建物ですから、それだけでもご利益深い感じがします。日限を定めて祈願すれば願いが叶うという日限地蔵菩薩が中に祀られています。


影向堂(ようごどう)

影向堂では、守り本尊を探しましょう
真新しいきれいなお堂。内部には、ご本尊の聖観音を中心に、8体の守り本尊が祀られています。守り本尊とは、各人の十二支に合わせて設定された守り仏様で、自分の干支を担当してくれる仏様を探してお参りすると、ご利益が倍増します。なぜ12体でないかというと、仏様によって、2つの干支を担当している場合があるからです。ちなみにわたしの守り本尊が何かと言うと……、年がバレるから内緒です。


淡島堂

ここで針供養が行われます
古来より婦人病にご利益があるとされ、毎年2月8日に「針供養」も行われます。やわらかい豆腐に和裁に使う針を刺してお参りする行事で、女性たちは、この日だけは裁縫をしない慣わしだったとか。内部には、阿弥陀如来など、なかなかよい仏像が祀られています。


銭塚地蔵尊とカンカン地蔵

削ってはいけないと書かれているのに……
銭塚地蔵とは、これまた、そのものずばりのネーミング。商売繁盛にご利益ありと言われています。石の六地蔵尊が四角い石塔の上に安置され、塔の下に「寛永通宝」が埋められているとか。庶民の町浅草には、こういうお地蔵さんこそがふさわしいのかも。その手前にある「カンカン地蔵」は、削って財布に入れておくと、お金が貯まるということで、カンカンと削り取られて、もはや地蔵の原型を留めていません。しかし、よく見ると、カンカンと叩いてお参りするだけで、削ってはいけませんと書いてありますね。

次のページは、めったに見られない伝法院の庭園と鎮護堂(おたぬき様)にご案内します。
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