めったに拝観できない
伝法院庭園

伝法院は、浅草寺の本坊だったところで、雷門をくぐって仲見世通りを歩いて行くと、左手にあります。小掘遠州作(江戸時代の庭園デザイナー)の、美しい庭園で有名です。しかし、こちらは一般拝観不可。もっとも、行事が行われていない時に、五重塔の下の寺務所に行ってお願いすると(電話予約なども、もちろん不可)、運がよければ拝観できることもあるようです。が、わたしのようにしょっちゅう浅草に行く者でも、そのようなラッキーな日に当たったことがありません。いつ行っても、寺務所の前に、「当分の間、伝法院を拝観できる日はありません」と、そっけない看板が出ています。

東京とは思えない雰囲気の伝法院庭園


芸者衆も参加し、華やかにゲームが進行
しかし、年に一度、確実に伝法院の中に入れる日があります。浅草観光連盟が主催する「雅の会 東都浅草【投扇興の集い】」に参加することです。投扇興とは、江戸時代に流行した伝統的なゲームで、簡単に言えば、扇子を投げて的を倒し、点数を競うものです。

これは毎年4月の中旬くらいに伝法院の内部で開催されます。ちょうど枝垂れ桜が咲く時期で、芸者衆も多数参加し、世にも美しい和な光景が展開します。東京都内にありながら、一般民にとっては、まるでアマゾン奥地のように未知な場所、伝法院に行くチャンス! これは、寺好きで和文化好きな方にとっては見逃せないイベントです。

●伝法院と投扇子興にご興味ある方は、浅草観光連盟のHP をごらんください。

「おたぬき様」から
覗くって手もある

たぬきの向こうの塀から覗くと伝法院庭園が見える
しかし今は5月、来年の投扇興の集いまで、一年近くあります。でも、どうしても伝法院庭園を見てみたいという方には、ちょっとした奥の手があります。それは、伝法院通りにある鎮護堂(通称、おたぬき様)の塀から覗き見ることです。むろん全貌が見えるわけではありませんが、美しい池のある庭園だなということは、ここからでも、おぼろげながらわかります。

なぜここがおたぬき様か。それは、浅草寺境内に住みついた狸の乱交を鎮めるため、伝法院正面脇に同院の鎮守として祀られたからです。建立されたのは明治5年。そのころは、まだ、狸がここらへんを右往左往して、悪さをしていたんですかね。

鎮護堂には、たぬきキャラの行灯もあります
●浅草寺とその周辺の簡単な位置関係は、こちらの地図をごらんください。

浅草と三社祭りの秘密を知ろう後編も合わせてごらんください
●本当の三社祭は5月ではなく3月だった
●現在の三社祭の見どころ
●浅草と三社祭りについての詳しい情報が掲載された本はこちら。
「お江戸寺町散歩」(集英社 be文庫)

●東京には、浅草寺以外にも、謎や秘密のあるお寺や神社がたくさんあります。それらに関する詳しい情報は
「東京の神社仏閣謎巡り 新宿大閻魔編」「東京の神社仏閣謎巡り 冨岡八幡宮編」などをごらんください。

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