最後で最高に泣ける弔辞……基礎知識・書き方も

「葬儀で感動した場面」という意見が多い、弔辞。弔辞を頼まれたらどうするか、内容や書き方を解説します。

【INDEX】

葬儀で感動した場面は「弔辞」

立派な祭壇も、あっと驚くような演出も、プロの司会者の言葉でさえ、個人を思う素直な言葉にはかないません。
立派な祭壇も、あっと驚くような演出も、プロの司会者の言葉でさえ、故人を思う素直な言葉にはかないません。
お葬式で感動したことはありますか? 少し前の調査になりますが、2007年12月にまとめられた「第8回 葬儀についてのアンケート調査」(調査:日本消費者協会)の報告書によると、参列した葬儀に「感動した」経験のある人は全体の35%だそうです。

特に近年、地域社会で行う葬儀から葬儀社主導の葬儀へと変化していくにしたがって、葬儀社にサービス業としての役割が求められるようになり、各社趣向を凝らした葬儀を提供できるように努力している様子が伺えます。

「どんなところに感動しましたか?」という問いに対しては、このような意見があります。

  • 家族の歴史が写真で映し出され、胸に迫るものがあった。
  • 故人が好きだったジャズが流されていた。
  • 僧侶や牧師(神父)のお話。
  • 故人が好きだった歌を参列者全員で歌ったこと。
  • 生前の思い出を映像や写真で参列者に見せていた。

などがありますが、断トツで多い意見は、「故人を送る友人、家族の言葉」。つまり「弔辞」に感動する人が圧倒的に多いのです。

どんなに素晴らしい司会のプロでも、故人を思う残された人たちの生の声にはかないません。

たとえば、
  • 遺族のお別れの言葉を聞いて、故人の思い出など目に浮かんで涙をさそった。
  • 弔辞などで個人の人柄や功績が紹介されるところ。
  • 紙に書かれたものではなく、生の言葉で弔辞をなさった方がいて、歌まで歌いとても感動しました。
故人の思い出などを家族、友人が話してくれる場面。
などの意見があります。

しかし一方で、形式的だというイメージも拭いきれない「弔辞」。故人の略歴を紹介し、美辞麗句で賛辞、最後はおきまりの文句で送る……、そんな味気ない弔辞があるのも現実。涙を誘うような演出をする必要はありませんが、故人と関係が深かった人が弔辞を捧げるわけですから、その人らしい言葉で見送ってあげてほしいものです。

では、弔辞を頼まれたらどうしたら良いでしょうか。

弔辞を頼まれたら断らない

基本的には白い紙に書くことが一般的ですが、故人への思いを表現するひとつの手段として、その人らしい便せんや用紙を選んで使用する人もいます。
基本的には白い紙に書くことが一般的ですが、故人への思いを表現するひとつの手段として、その人らしい便せんや用紙を選んで使用する人もいます。
弔辞者を選ぶとき、遺族や関係者は「この人にお願いしたい!」とよくよく考えて依頼するものです。
「人前で話すのは得意ではないから。」「文章が下手だから。」「自分よりもっとふさわしい人がいるのでは……。」などの理由で気がすすまない人もいるようですが、依頼されたからには遠慮せずに引き受けるのが礼儀でもあり、故人や遺族への配慮でもあります。

なお、弔辞を依頼されてはいないけれどどうしても一言述べたい!という人もいるかもしれません。先方の都合もありますから必ずOKというわけではありませんが、事前に遺族や関係者にその旨を伝え、可能であれば時間をつくっていただくこともできます。


弔辞の内容はどうする?

「弔辞」とは、「死者を弔う言葉」になりますので、故人へ伝えたいメッセージを中心に考えていきますが、聞き手である遺族や参列者がいるということも念頭にいれておきましょう。

故人の略歴や功績を入れるときは、年月日や肩書等、間違えないように事前に調べておきます。故人にまつわる話であれば、基本的にどのような内容を盛り込んでもかまいませんが、どうしてもまとまらない場合は次のような順序で考えていくとうまくまとまります。

  • はじめの言葉
    「突然の訃報に、深い驚きと悲しみでいっぱいです。」
    「○○さん、今日は悲しいお別れとなりました。」
    ※突然の訃報を聞いたとき驚きや悲しみ、自分の気持ちなどを述べます。
     
  • 故人と自分の関係、思い出話
    「○○さんとは高校時代からの友人でした。」
    「私が困難に直面したとき、助けてくれたのが○○さんでした。」
    ※一番の大切なポイント。思い出話、エピソードなどを披露をします。故人の経歴や人柄、功績を入れてもよいでしょう。
     
  • 遺族への悔みの言葉
    「心より哀悼の意を表します。」
    「ご遺族のかたがたは、さぞお嘆きのことでしょう。心からお悔やみ申し上げます。」
    ※残された遺族に対する思いやりを述べます。
     
  • 結びの言葉
    「やすらかにお眠りください。さようなら。」
    「ありがとうございました。」
    ※哀悼の言葉、安らかな眠りを願う言葉などで結びます。

弔辞の目的は「良い文章」にすることではありません。あれもこれも伝えたいという気持ちもわかりますが、ひとつ柱を決めてそこに肉付けしつつ、素直な気持ちを言葉にのせて伝えることが大切です。

弔辞の書き方

弔辞に使う紙ですが、市販されている奉書紙か巻紙を利用し、薄墨の毛筆で書くのが正式とされています。

しかし、最近では便せんにペンで書かれたものや、パソコンで書かれたものも多くなりましたので、社葬や団体葬など形式重視の葬儀でない限り、あまりこだわらなくても良いでしょう。その場合は白い封筒に入れておきます。

なお、ゆっくり読んでだいたい3分から長くても5分以内でおさまるように考えます。原稿用紙2~3枚が目安です。

弔辞に使ってはいけないNGワードは?

「重ね重ね」「かえすがえす」など同じ言葉を重ねたものや、「再び」「続いて」など、死が次々に連鎖するようなイメージを与える言葉を「忌み言葉」といい、葬儀の場では使わないほうが良いと言われています。

また、宗教の違いで使用できない言葉もあります。たとえば「往生」「供養」「成仏」など。これらは仏教用語になりますので、キリスト教の告別式では使用できません。逆に仏教葬儀の場合「天国」「神様」はふさわしくありません。

ほかにも厳密にいえばNGワードはたくさんありますが、あまりとらわれすぎてしまっては思ったことを自由に表現することができなくなってしまいます。遺族や参列者が「不快」と感じる表現は避けるように心掛け、真心のこもった弔辞を捧げることができるように考えていきましょう。

■関連記事:お葬式での会話のポイント&マナー

 

真っ白な弔辞

弔辞という言葉を使わず、お別れの言葉とする場合もあります。
「弔辞」という言葉を使わず「お別れの言葉」とする場合もあります。小さい子供が故人へのメッセージを語りかける場面など、涙なしではいられません。
赤塚不二夫さんの葬儀の際に弔辞を捧げたのはタモリさん。手にしていた紙を何度も見ながら読んでいた姿が映し出されていましたが、実は紙には何も書かれておらずすべてアドリブだったということが後に判明しました。

インターネットの掲示板でも「実は白紙なのではないか」と一時話題になっていましたが、あまりにも流暢なため「まさか!」と思った方も多いのではないでしょうか。

「8月2日にあなたの訃報に接しました。……残念です。」からはじまる弔辞は、故人を彷彿させるエピソードを中心に進められていきます。故人の生涯を示すキーワード「これでいいのだ。」という言葉を混ぜながら。最後は「……ありがとうございました。私もあなたの数多くの作品の1つです。合掌。」で締めくくっています。タモリさんらしい結びの言葉、そして仏教の基本である「合掌」の言葉で締めている点も素晴らしいと感じました。


他に、芸能人の心に残る弔辞についてはこちらでご紹介しています。


厳粛な雰囲気の中、参列者を代表して弔辞を捧げるのは緊張するものです。当日は早めに会場に到着するようにし、式次第や名前を呼ばれてからのルートを確認しながらリハーサルしておきましょう。

弔辞リハーサル時の確認事項についてはこちらでご紹介しています。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。