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古の都・太宰府~秋祭神幸式大祭を訪ねて~

太宰府ではこれからの時期、御祭神である菅原道真公の往時を偲び、五穀豊穣を神明に感謝する大祭が開かれます。900年以上も続いている秋祭神幸式大祭。その見所と太宰府周辺を今回はご紹介します。

執筆者:松尾 圭

京から一夜で太宰府まで飛んできたという「飛梅」。境内のどの梅の木よりも早く花を咲かせるといいます。
福岡県太宰府市、全国的にも有名な学問の神様、菅原道真公が御祭神として祭られている太宰府天満宮があります。正月の初詣に訪れる人の数は全国でも屈指で、正月以降は受験生が、そして梅の季節には多くの花見客で賑わいます。本殿の右側には、道真公を追って京の都から一夜で飛んできたと伝えられている飛梅があったりと、古のロマンを味わえるスポット。その太宰府天満宮で秋の大祭が9月に開かれます。冬から春にかけて多くの観光客が訪れる太宰府。しかし秋にも見所満載な大祭が開催されるのです。ちょっと秋に小旅行に行きたいなぁっと思っている方は、是非旅の参考にしていただければ幸いです。今回は秋祭と太宰府周辺の情報をご紹介。


太宰府天満宮の秋祭神幸式大祭とは!?

御神輿行列の行進MAP。参考にしてお気に入りのビューポイントを見つけてみては。
9月21日~25日の間に催される太宰府天満宮の秋祭神幸式大祭は、康和3年(1101年)大宰権帥大江匡房卿(おおえのまさふさきょう)により始められたもので、御祭神菅原道真公の往時を偲び、五穀豊穣を神明に感謝する大祭です。

見所としては、御神霊を奉安した御神輿(ごしんよ)にお供する神職、奉仕の人々が平安の京の華麗荘重の神幸の様式をもって、衣冠(いかん)、直垂(ひたたれ)、大紋(だいもん)、狩衣(かりぎぬ)、白丁(はくちょう)など古の服装での、太宰府本社から榎社までの行列です。この榎社は菅原道真公謫居(たくきょ)だった榎寺(現在の榎社)のことです。

御神輿の行列は9月22日午後8時に出発し、五行(ごぎょう)の鐘、太鼓の音に導かれつつ竹の曲(たけのはやし)の「ささら」の音も秋空に冴え渡る中、御神輿を奉安して榎社に一夜御駐輿(ごちゅうよ)します。そして、翌日の午後3時30分に本社へ還御(かんぎょ)し稚児行列も加わります。太宰府本社から榎社まで約2kmの距離をそれぞれ2時間強の時間をかけ、ゆっくりと行列が行進する光景はまるで古の時へタイムスリップしたかの如く、華やかな王朝絵巻が目の前に広がります。これは一見の価値ありです。

御神輿の通過予定時刻は次の通りです。

お下りの儀(9月22日)
1. 御本社出発 20時
2. 馬場休輿所着 20時25分頃
  馬場休輿所発 20時30分頃
3. 西鉄太宰府駅前交差点着 20時35分頃
  西鉄太宰府駅前交差点発 20時40分頃
4. 郵便局前通過 20時45分頃
5. 横町口五条側通過 21時15分頃
6. 五条交差点通過 21時35分頃
7. 五条口ドンカン道入口通過 21時40分頃
8. 榎社御着 22時10分頃


お上りの儀(9月23日)
1. 榎社出発 15時半
2. 五条交差点通過 16時10分頃
3. 五条公民館前着 16時15分頃
  五条公民館前発 16時20分頃
4. 横町口五条側通過 16時30分頃
5. 郵便局前着 17時頃
  郵便局前発稚児行列参加 17時5分頃
6. 西鉄太宰府駅前交差点通過 17時15分頃
7. 馬場休輿所着 17時35分頃
8. 天満宮境内浮殿着 17時50分頃

お気に入りのビューポイントを探して、一緒に古の時へタイムスリップしてみませんか?



秋祭神幸式大祭期間中の催し物一覧。平安の時を肌で感じませんか?


秋祭神幸式大祭の予定は、次の通りに進みます。

9月21日15時・・・・・神幸式大祭始祭 (御本殿)
9月22日19時・・・・・遷御祭並びに出御祭 (御本殿)
     20時・・・・・お下りの儀 (御本殿より榎社へ)
     22時・・・・・榎社行宮御着 献饌祭 (榎社)
9月23日15時・・・・・行宮出御祭 (榎社)*事前に倭舞奏上
     15時半・・・お上りの儀 (榎社より浮殿へ)
     18時・・・・・浮殿御着 献饌祭 (浮殿)*竹曲奏上
     18時半頃・御本社へお移りの儀 (浮殿より御本殿へ)
     19時半頃・御本殿還御祭 (御本殿)*竹曲奏上
9月24日19時・・・・・献饌祭 (御本殿)
9月25日11時・・・・・秋季例大祭 (御本殿)
     20時・・・・・千灯明・神楽 (境内心字池)

千明灯の様子。ローソクの灯が闇夜を照らす光景は幻想的。
一連の祭事は、それぞれ興味深いものであります。特に必見は25日午後8時からの千灯明。天神様(菅原道真公)の御神霊にささげられる神事で心字池の周りに配置されたローソクによる御神火がともされます。1000本のローソクに御神火が灯されると、水上舞台では巫女による神楽「悠久の舞」等が奏上され、闇夜に浮かび上がる燈明の明りが池の水に映り幻想の世界に誘います。

現在とは違うゆったりとした時間と、どこか心安らぐ空間を体感しに太宰府秋祭神幸式大祭に足をお運び下さい。



太宰府天満宮・秋祭神幸式大祭

古の時代から人々に愛されてきた太宰府天満宮本殿。
◆太宰府天満宮
・所在地:福岡県太宰府市宰府4丁目7番1号
・電話:092-922-8225
・アクセス:西鉄太宰府駅から徒歩約10分
      九州自動車道太宰府インターから太宰府方面へ車で約10分
・地図:「Yahoo! 地図情報」
・URL:太宰府天満宮


★ちょっとおまけ
太宰府名物・梅ヶ枝餅。
太宰府のお土産の定番といえば梅ヶ枝餅。その由来は、道真公が榎寺に謫居して際、安楽寺の門前でおばあさんが餅を売っていたそうです。このおばあさん、公の境遇に同情して時折この店に迎え、また餅を持参しては公の無聊を慰めたとのこと。公が薨去した時、公の好物であったこの餅を梅の枝にさして霊柩に供えて送ったという故事にならい梅ヶ枝餅と名づけられたそうです。この餅に公の霊が通じたか梅ヶ枝餅を食うと病魔を防ぐに特効があるというので著名になったとのことです。全国発送も可能です。



太宰府周辺のちょっと気になるあのポイント >>>
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