過去から現在までを、まとめて表現できる便利な時制
「have(has) + 過去分詞」の形でおなじみの現在完了形は、苦手な人が多いです。過去形との違いが分かりにくいかもしれませんが、実はこの2つの違いはとても明確です。過去形は、過去のある時点に起こったことを述べているだけです。しかし、現在完了形は、過去のある時点に起こったことが、現在までどのような状況にあるのかを表現します。
例文で確認しましょう。
- I was busy.
- I have been busy.
2番目の現在完了形の文は、「過去のある時点から、今までずっと忙しかった。」という意味。用事が一段落した状況でこのセリフを使えば「今は忙しくない。」というニュアンスも含まれます。動詞の形だけで多くの情報を語ることができる現在完了形は、非常に便利な時制ですね。
これをふまえて、もう一度ドラマのせリフを見てみましょう。
I've tried to be nice.
(せっかく優しく言ってやってるのに。)
このセリフの前にD.J.は、「できるだけ優しく説明してあげる。」と前置きをして、「6年生しかいないパーティに来ても1年生のあんたには退屈だから、やめた方がいいわよ。」と言っています。
本当は「来るな!」と言いたいところですが、一応気を使ってやんわりと断ってみたのです。ところが妹がねばるので、「優しく言おうと努力してきたけど、もうやめた!」とケンカを始めてしまったのです。
『フルハウス』セカンドシーズン。レンタルビデオ店でも。 |
ところで、中学校で「現在完了形は、完了・結果、経験、継続を表す」と教えられ、1つの文法事項になぜ3つの別の使い方があるの!?と、混乱した人は少なくなかったと思います。
安心して下さい。決して別の使い方ではないのです。現在完了形は過去と現在の時間と状況の変化を表す、ということが分かっていれば、3つの使い方は視点が違うだけであることが分かるはずです。詳しくは次ページへ。