いちおしの大浴場は玉の湯
鳴子ホテルの真骨頂は、この巨大な大浴場を満たす非凡な湯にあります。大浴場が大きければ大きい程、温泉の湯も大味になって、印象が薄くなるものです。もちろん、霧島ホテルなど、一部に例外もありますが、その例外こそが非凡であることの証明なのです。
大きな芭蕉の湯でも名湯を十分に実感出来ますが、深夜から男湯になる玉の湯は、やや狭いせいか、湯の良さを一層強く感じることが出来ます。前回泊まった時も、玉の湯にある青畳石露天風呂に感激したのですが、今回は朝ゆっくりと朝食を取っていたせいもあり、既に湯を入れ替えている途中で入れませんでした。
その向かいに新設された、高野槙桶露天風呂を見て驚きました。強烈なこぶ茶色の湯の色にも驚きましたが、木の浴槽なのに辺り一面白銀色の温泉成分でコーティングされ、金属かコンクリにも見える様子に目を疑う程でした。
鳴子ホテルは三つの自家源泉を混合していますが、今回青畳石露天風呂に溜めていた湯を見ても最初は透明のようです。しかし、温度や湿度など、様々な条件により湯の色が変化します。どちらかといえば露天は緑色、内湯は白濁気味のことが多いように思います。それでも、湯口からの距離に応じて、微妙に湯の色が連続的に変化(グラデーション)している様子も確認出来、温泉の奥深さを感じさせてくれる名湯なのです。