『西遊記』三蔵法師の目的地ブッダガヤ
ブッダガヤのマハーボディ(大菩提寺)。中央の本堂は高さ52mで、周囲に4つの小堂を持つ ©牧哲雄
今回は仏教四大聖地のひとつ、インドの世界遺産「ブッダガヤの大菩提寺」を紹介する。
釈迦物語1 出家
蓮池ムチャリンダに浮かぶブッダとナーガ像。ナーガは東南アジアのヒンドゥー寺院で5つ首の大蛇像としてしばしば見かけられ、日本などには龍として伝わった
マハーボディと菩提樹。マハーボディという名の建物は世界中にあるが、この寺院に由来する ©牧哲雄
釈迦が出家するのは29歳のとき。一説によると、城の東門で老人、南門で病人、西門で死人を見て無常を深く感じ、北門で自分の道を探し求める僧に出会い、その潔い姿に打たれて出家したともいわれている。このとき妻は妊娠していたが、子が産まれる直前に宮殿を出てしまった。
国を捨てた釈迦は名高い僧のもとを訪ねては、絶食や問答などを繰り返し、厳しい修行に明け暮れる。しかし、彼らの語る言葉が釈迦の苦しみを消すことはなく、まして苦行が悩みを癒やすこともなかった。