世界遺産/ヨーロッパの世界遺産

ウェストミンスターとビッグベン/イギリス

イギリスの国会議事堂にしてロンドンの象徴ビッグベンを擁するウェストミンスター宮殿。歴代の王が戴冠を行った聖地ウェストミンスター寺院。これらに聖マーガレット教会を加えたイギリスの世界遺産「ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター寺院及び聖マーガレット教会」をご案内!

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

英国の象徴ウェストミンスターとビッグベン

国会議事堂=ウェストミンスター宮殿

テムズ川を挟んで見た国会議事堂=ウェストミンスター宮殿 ©牧哲雄

世界でもっとも有名な国会議事堂であり、近代議会の歴史を背負いつづけてきたウェストミンスター宮殿。イギリス最高の聖地にして、イギリスの歴史を築き上げた偉人たちを葬るウェストミンスター寺院と聖マーガレット教会。この3つの世界遺産は中世からイギリスを支え、いつの時代もイギリスに正義と秩序をもたらしてきた。

今回はこの3つの建物からなるイギリスの世界遺産「ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター寺院及び聖マーガレット教会」を紹介する。

ビッグベンとウェストミンスターの鐘

時計塔ビッグベン

1859年完成で、2009年に150周年を迎えたロンドンの象徴、時計塔ビッグベン ©牧哲雄

日本でも学校や街でよく聞く、始業や終業、帰宅を知らせる「キンコンカンコーン」のチャイム。あの鐘の音を「ウェストミンスターの鐘」という。

ロンドンの象徴、ウェストミンスター宮殿の時計塔ビッグベン。文字盤の大きさは、直径約7m、長針は4mを超え、短針は3m弱。いまだに手動ゼンマイ式のこの大時計は、15分ごとに鐘の音を鳴らし、正午にはロンドン中にウェストミンスターの鐘を鳴り響かせて、人々に時の流れを知らせている。

この時計の誤差は、わずか1秒未満。正義と秩序を重んじたイギリスは、最高権力者である国王の宮殿であり、現在は国会議事堂と最高裁判所をも兼ねるこのウェストミンスター宮殿によって国を治め、時間の流れをも司って人々に秩序をもたらそうとした。
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