世界遺産/ヨーロッパの世界遺産

ウィーン歴史地区/オーストリア(2ページ目)

音楽、絵画、建築、文学、喫茶、食事…ヨーロッパ芸術の中心地であり、アダルトな魅力で旅人を誘う世界遺産「ウィーン歴史地区」。今回はその街の魅力と、ヨーロッパ中世の半分を占めるハプスブルク家の歴史を解説する。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

テーマ別散策1 カフェで楽しむウィーン

冬のベルヴェデーレ宮殿

冬のベルヴェデーレ宮殿。現在はオーストリア美術館として公開されている ©牧哲雄

シュテファン寺院

シュテファン寺院。ロマネスク建築の教会として建てられ、14世紀にゴシックに改築された ©牧哲雄

パリのモンマルトルのように、ウィーンでもアーティストたちはカフェに集った。「ウィーンの文化はカフェが育んだ」といわれるほどだ。

カフェにはこんな伝説がある。コーヒー自体はアラブ諸国では古くから飲まれていたのだが、1683年の第二次ウィーン包囲の際、敗走したオスマン軍の陣地にコーヒー豆が残されていた。発見者に皇帝がコーヒーの販売許可を与えたことからカフェがはじまり、ここからコーヒーがヨーロッパ中に伝えられた。

実際ロンドンやパリにはもっと古いカフェがあるが、これほど普及したのはウィーンが最初のようだ。世界遺産の街並みにたたずむオススメのカフェはこちら!

 

■デメル
1786年創業の老舗で皇室御用達。かつては劇場とデメルが地下道でつながっており、王家の人々にお菓子を運んでいたという逸話が残る。名物ザッハー・トルテはホテル・ザッハーとのトルテ戦争で有名。ぜひ食べ比べてみて! ■ツェントラル
フェルステル宮殿にある豪華なカフェで、フロイトやクリムトなども出入りしたという。格式の高さはウィーン随一。マリー・アントワネットが愛したアプフェルシュトゥルーデルなどが名物だ。 ■ゲルストナー
1847年創業で、皇室御用達。スミレの花の砂糖漬けはエリザベートの大好物。国立オペラ座や美術史美術館のビュッフェもゲルストナーの経営で、黄金時代はウィーンの食文化を先導した。

テーマ別散策2 ホイリゲで楽しむウィーン

ホーフブルクの一部をなす新王宮

ホーフブルクの一部をなす新王宮。その歴史は13世紀にさかのぼり、2,500以上の部屋があるという ©牧哲雄

オーストリアといえば白ワイン。少し甘いものが多く、たとえば世界三大貴腐ワインのひとつ、トロッケンベーレンアウスレーゼは16世紀には作られていた。ぜひワイン・バー「ホイリゲ」を楽しもう!

■エスターハージーケラー
1683年オープンで、貴族エスターハージー家のケラーを改装してホイリゲとした。同家はオリジナルの醸造所も持っており、秋には新酒も味わえる。 ■ツヴェルフ・アポステルケラー
地下の部屋とロウソクの灯り、ウィーンの伝統料理とワインが中世を髣髴させる、とても雰囲気のあるワイン・ケラー。いつもワイワイにぎわっている。 ■ゲッサー・ビアクリニーク
1406年から記録があるという由緒ある建物で、その後ホテルとなった。ビールの種類は数多く、レストランのメニューも充実しており、ビール好きにはたまらない。
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