世界遺産/世界遺産関連情報

あの世界遺産も見納め?消えゆく26遺産 後編(3ページ目)

多くの世界遺産が直面している地球温暖化の脅威。ユネスコ発表の『気候変動と世界遺産のケース・スタディ』が伝える危機に瀕した26件の世界遺産の概要をお伝えするシリーズ後編。各データへのリンクも充実!

長谷川 大

長谷川 大

世界遺産 ガイド

得意ジャンルは世界遺産・世界史・海外情勢・海外旅行・哲学・芸術等。世界遺産マイスター、世界遺産検定1級文部科学大臣賞受賞。出版社で編集者として勤務したのち世界一周の旅に出る。現在は東南アジアを拠点に海外旅行を継続しながらフリーの編集者・ライターとして活動。訪問国数は約100、世界遺産は約250に及ぶ。

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なぜ温暖化はダメなのか?

ケルプ
ケープ岬ボルダーズ・ビーチのペンギンたち。この命をすばらしいと思えるだろうか?
世界の平均気温が上がることがなぜいけないのだろうか?

たとえばサンゴは白化しても海水温の上昇がサンゴの北上を促すし、砂漠化の一方で永久凍土が溶けて植物が生えたりもしてくる。地球はつねに環境を変えてきたし、動物も植物も生きているだけで環境を変えている。

おそらく、気温が上がっても動植物はそれに適応し、新しい生態系を築き上げていくことだろう。しかし、それには数千~数万年以上の時間がかかる。問題は、あまりに急速に温暖化が進んでいる点だ。

長い歴史の中で育まれてきた自然や文化が産業革命以降のわずか100~200年で破壊されてしまう。そしてそれが修復されたり新しい生態系が築かれる間もない。

なぜ自然が大切なのか?
なぜ文化が大切なのか?
なぜ命が大切なのか?
なぜ生活が大切なのか?

本当は理屈じゃあない。環境だの世界遺産だの、そんな知識は後からつければいい。まずは実際に世界遺産の大自然や建造物に触れてみて、その美しさや大きさや色や香りに感動すること。「この世界はすばらしい」。この想いがない限り、環境保護を正当化するいかなる理論も説得力を持ちはしない。

【関連記事&サイト】
  • あの世界遺産も見納め?消えゆく26遺産 前編
  • 世界遺産が消える!危機遺産と新たなる危機
  • 世界遺産を救え! 危機遺産リスト2007
  • 『気候変動と世界遺産のケーススタディ』(ユネスコによるPDFの報告書、英語)
  • 気象庁IPCCのページ(日本語。IPCC第三次・第四次報告書の概要あり)
  • Intergovernmental Panel on Climate Change(IPCCの公式サイト、英語)
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    ※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
    ※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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