なぜ温暖化はダメなのか?
ケープ岬ボルダーズ・ビーチのペンギンたち。この命をすばらしいと思えるだろうか? |
たとえばサンゴは白化しても海水温の上昇がサンゴの北上を促すし、砂漠化の一方で永久凍土が溶けて植物が生えたりもしてくる。地球はつねに環境を変えてきたし、動物も植物も生きているだけで環境を変えている。
おそらく、気温が上がっても動植物はそれに適応し、新しい生態系を築き上げていくことだろう。しかし、それには数千~数万年以上の時間がかかる。問題は、あまりに急速に温暖化が進んでいる点だ。
長い歴史の中で育まれてきた自然や文化が産業革命以降のわずか100~200年で破壊されてしまう。そしてそれが修復されたり新しい生態系が築かれる間もない。
なぜ自然が大切なのか?
なぜ文化が大切なのか?
なぜ命が大切なのか?
なぜ生活が大切なのか?
本当は理屈じゃあない。環境だの世界遺産だの、そんな知識は後からつければいい。まずは実際に世界遺産の大自然や建造物に触れてみて、その美しさや大きさや色や香りに感動すること。「この世界はすばらしい」。この想いがない限り、環境保護を正当化するいかなる理論も説得力を持ちはしない。
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