1.温暖化の被害を受ける氷河の世界遺産

アレッチ
19世紀には23kmもの長さがあったアレッチ氷河も現在3.4kmが消滅。アルプスの氷河はすでに面積の1/3を失ったという。
世界には様々な氷河がある。しかし、美しい氷河や万年雪は現在急速に溶けつつある。1990年~2100年の地球の平均気温の伸びは1.4~5.8度と見積もられているが、4度の上昇があった場合、すべての氷河が消滅すると言われている。

氷河の消滅はその景観を大きく変えるだけでなく、湖の変成や洪水などによって地域の気候を一変し、飢饉や疾病の大流行をもたらす力を持っている。

サガルマータ(エベレスト)の平均気温はここ30年で1度上昇し、すでに67%の氷河が後退。関係の河川は軒並み増水し、大洪水を引き起こしている。ヒマラヤ山脈を水源に中国から東南アジア、インドにかけて20億人が暮らしていると言われるが、雪も年々減っており、氷河がなくなった後の深刻な水不足→大飢饉が懸念されている。

ワスカラン国立公園ではエルニーニョ現象による気候変動によって22%の氷河が後退、今後50年で氷河の消滅が予想され、1万年以上保たれてきたキリマンジャロ国立公園の氷河も20世紀の間に80%が失われ、15年以内の消滅が、スイス・アルプスでも2050年までに75%の消滅が予想されている。

南極大陸についで海水面上昇に影響を与えると言われるグリーンランドでは、地球温暖化について、地球平均の1~3倍もの影響を受けていると言われている。

■温暖化の被害を受ける氷河の世界遺産5件
  • サガルマータ国立公園(ネパール):1979年、自然遺産(vii)
  • ワスカラン国立公園(ペルー):1985年、自然遺産(vii)(viii)
  • キリマンジャロ国立公園(タンザニア):1987年、自然遺産(vii)
  • スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチ(スイス):2001年、2007年拡大、自然遺産(vii)(viii)(ix)
  • イルリサット・アイスフィヨルド(デンマーク):2004年、自然遺産(vii)(viii)


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