ミャンマー人の信仰心

バガンの早朝

バガンの早朝。バガンはアンコール、ボロブドゥールと並ぶ世界三大仏教遺跡のひとつ。他のふたつが半ば遺跡と化しているのに対し、バガンは現在も愛され祀られている生きている遺産

ミャンマーの人々の篤い信仰心は街を歩いているだけでよくわかる。

ダマヤッズィカ・パゴダ
金の塔が美しいダマヤッズィカ・パゴダ。12世紀の建築。※写真はクリックで拡大。
早朝、あるいはお昼頃街を散策していると、少年僧たちが小鉢をもって食料をもらい歩く「托鉢」をあちこちで見かけるはずだ。僧たちは炊事が禁じられているため、食料はこの托鉢によって確保する。

と言っても、けっしてねだってきたりはしない。逆にあげてもお礼を言ったりすることもない。毎日余るほどの食料が、街の人々から僧らへと提供されている。水が高きから低きに流れるように、それが当たり前。かつては1日中托鉢が許可されていたようだが、あまりに食料が集まりすぎてしまったため、午前中の2回に限ることにした、なんていう話まであるくらいだ。

マヌーハ寺院の寝仏
マヌーハ寺院の巨大な寝仏。子供たちの顔に塗られているのは“タナカ”と呼ばれる樹脂からとった一種の化粧品&日焼け止め。※写真はクリックで拡大。
少年僧に「将来の夢は」なんて質問をしてみる。答えは「僧」。ミャンマーは国民皆僧制度をとっていて、男子は生涯に2度、仏門に入って僧として修行を積まなければならない。でも、彼らにはやらされている感は、あまりない。もちろん彼らも遊びが好きだし、おいしいものも女の子も大好きだけど、それでも仏像を尊び、世界の神秘を信じ、僧を畏敬し、憧れさえしている。

敬虔なミャンマー人の夢は、僧になることともうひとつ、パゴダを建てること。パゴダ建設は最大の徳にあたることから、ある程度お金が貯まると、人々はパゴダ建設にお金をすべて使い果たしてしまうのだそう。お金なんて、徳を積むための手段のひとつにすぎない。だから貧しい人には自然と施しが与えられるし、富んだ者にもお金に対する執着心がないし、人をうらやむ心もない。

バガンの街歩きは次のページへ。


前のページへ 次のページへ