世界遺産/世界遺産豆知識

探究! 世界遺産と世界のピラミッド(2ページ目)

エジプトのピラミッド、メソポタミヤのジッグラト、プレ・インカのワカ、マヤの神殿など、錐の形をした「ピラミッド」は世界中にある。今回は世界遺産と暫定遺産に登録されている世界中のピラミッドを紹介しよう!

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

アフリカのピラミッド

ギザの三大ピラミッド
ギザの三大ピラミッド ©牧哲雄
■メンフィスとその墓地遺跡 No.1 ギザのピラミッド
エジプト、1979年、文化遺産(i)(iii)(vi)
エジプトには100基近いピラミッドが建造されたが、そのほとんどは古王国時代に造られており、当時の首都メンフィス近辺にある。写真はもっとも有名な三大ピラミッドで、左からメンカウラー王、カフラー王、クフ王のピラミッド。手前には王妃のピラミッドが並んでいる。紀元前2,500年前後の建造で、最大であるクフ王のピラミッドは一辺約230m、高さ137m。

紹介記事はこちら>>ピラミッド地帯/エジプト

階段ピラミッド
サッカーラの階段ピラミッド ©牧哲雄
■メンフィスとその墓地遺跡 No.2 階段ピラミッド
エジプト、1979年、文化遺産(i)(iii)(vi)
紀元前2,600年前後に造られた、エジプト最古のピラミッドと言われるジョセル王のピラミッド。東西約140m、南北128m、高さ60m。もともとマスタバという日干しレンガの建築物で、これを増築し続けて階段状になったらしい。日干しレンガのピラミッドはメソポタミアのジッグラトを彷彿させることから、ジッグラトが発展してピラミッドになったとも言われる。

紹介記事はこちら>>ピラミッド地帯/エジプト

屈折ピラミッド
ダハシュールの屈折ピラミッド ©牧哲雄
■メンフィスとその墓地遺跡 No.3 屈折ピラミッド
エジプト、1979年、文化遺産(i)(iii)(vi)
一辺約190m、高さ105m、紀元前2,500年前後建造のスネフェル王のピラミッド。下部は54度、上部は43度と角度が変わっており、なぜこのような構造になったのかはわかっていない。スネフェル王は崩れピラミッドや赤のピラミッドなども造っているが、赤のピラミッドは正確な四角錘で、はじめての真正ピラミッドと言われている。

紹介記事はこちら>>ピラミッド地帯/エジプト

 

崩れピラミッド
メイドゥームの崩れピラミッド ©牧哲雄
■メンフィスとその墓地遺跡 No.4 崩れピラミッド
エジプト、1979年、文化遺産(i)(iii)(vi)
別名「偽りのピラミッド」。これもスネフェル王によるピラミッドで、やはり紀元前2,500年前後のもの。一辺約145m、建設時の高さ96m。頂上が崩れている理由については、建築途中で崩れてしまったとも、何らかの理由で突然作業が中断されたとも言われている。

紹介記事はこちら>>ピラミッド地帯/エジプト

 

ゲベル・バルカルのピラミッド
ゲベル・バルカルのピラミッド ©西遊旅行
■ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群
スーダン、2003年、文化遺産(i)(ii)(iii)(iv)(vi)
紀元前8~紀元前7世紀前後、ヌビア人の王国クシュの遺跡。ジェベル・バルカルとも呼ばれる。エジプトを支配して第25王朝を建てたクシュ王国は、エジプトの神々を奉じ、エジプトでは造られなくなっていたピラミッドの建築を再開して、メロイやゲベル・バルカルに多数のピラミッドを残した。ピラミッドの高さは30m前後で小さいが、傾斜がきつく鋭い四角錘の形をとる。同じスーダンの世界遺産「メロイ島の古代遺跡群」にも同様のピラミッドがある。

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