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駒場東邦中・海城中徹底比較研究

2月1日入試を実施する駒場東邦中学校と海城中学校を徹底比較研究します。「基本データ・教育の特徴」「大学合格実績」「入試結果・偏差値」「募集要項」「学費」で2校を徹底比較研究。

野倉 学

執筆者:野倉 学

学習・受験ガイド

駒場東邦は御三家(開成・麻布・武蔵)よりもあえて選ぶ受験者層が増えています。国公立大学の医学部進学率も高い
栄光学園、聖光学院の徹底比較研究」「渋谷幕張中・渋谷渋谷中の徹底比較研究」に引き続き、今回は2月1日入試を実施する人気男子校で、駒場東邦中学校(以下、駒場東邦)と海城中学校(以下、海城)を「基本データ・教育の特徴」「大学合格実績」「入試結果・偏差値」「募集要項」「学費」で徹底比較研究します。

医学部をもつ東邦大学が母体の駒場東邦は、医学部への進学校として有名。2012年の国公立医歯学部合格者は34名という高い実績を誇ります。一方の海城も2012年の国公立医学部合格者は30名と負けていません。

ちなみに著名な卒業生は、駒場東邦が数学者の秋山 仁さん、小説家の浅田次郎さん(中学校まで在籍)、 海城にアナウンサーの徳光和夫さん、落語家の立川談笑師匠がいます。

駒場東邦中学校(男子校)

■所在地:東京都世田谷区池尻4-5-1

■創立年:1957(昭和32)年

■中1生徒数:男子約240名(6クラス)

■高校募集人数:高校では募集をしない完全中高一貫校

■教育理念・校風:駒場東邦は学校法人東邦大学が設置した学校。戦後の貧しさからようやく脱却した1957(昭和32)年、青少年に明るい未来への夢を持たせようという教育の理念を実現させるために、当時の東邦大学の理事長であった額田豊博士と都立日比谷高等学校の校長であった菊地龍道先生が設立した。その教育の理念は、資源のない日本では頭脳の資源化こそ急務であるとの考えから、科学的精神に支えられた合理的な考え方を持ち、自主独立の精神を持つ人物の育成が大切だ、というもの。そのために、中学・高校の6年間を一体化した中等教育の必要性を唱え、当初より男子による6か年一貫教育を目指して設立。創立の当初から、英語、数学や理科の実験では1クラスを二分する少数教育を実践し、学校行事を各教科の枠を越えた総合学習的な方法で実施するなど、いろいろな工夫がなされてきている。

■教育の特徴:すべての教科で、「自分で考え、答えを出す」習慣をつけること、そして早い時期に「文・理」に偏ることをせず、各教科でバランスの取れた能力を身につけることを第一にあげている。中高6年間のカリキュラムを有機的・系統的に効率よく編成しているので、ほとんどの教科は5年(高2)で教科書を終わる。中学時では自分で作るレポート提出が重要視され、当然、教師はそのレポートにしっかり答え、次の発展へと指導していく。また教科よっては分割授業を積極的に取り入れ、特に中1・中2の理科実験はそうで、少人数授業によって実験の技能や観察力を確実に身に付けさせる。

海城中学校

■所在地:東京都新宿区大久保3-6-1

■創立年:1891(明治24)年

■中1生徒数:男子330名程度/8クラス

■教育理念・校風:「フェアーな精神」「思いやりの心」「民主主義を守る意思」「明確に意思を伝える能力」を身につけた高い知性と豊かな情操を持つ人物の育成を目指している。中1の夏休みの「海の家」では5キロメートルの遠泳に挑戦。泳ぎが苦手な生徒でも5キロメートル完泳できるようになるそう。

■教育の特徴:完全中高一貫教育を行うために2011年度より高校の募集を停止し、現在は中学のみ募集。中1~高1までの4年間を基礎学力の伸長と充実を図る時期と位置付けている。海城の授業進度は速く、中学では宿題が多く出される。「調べて表現する」機会が多い。また、オリジナルプリントの使用や補習が多いのも特徴。補習は平日(放課後80分)、休暇中を問わず随時行っている。特に高3では大学受験に即応した多くの補習を実施。体験学習にも力を入れ、中1・2のP.A(プロジェクト・アドベンチャー)、高1の「山の家」、関西・沖縄方面の修学旅行などを通して連帯感や協調性を養い、自然・歴史・文化学習を行う。

次ページは駒場東邦、海城の「併設高校の大学合格実績について」徹底比較研究
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