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慶應義塾(普通部・中等部・湘南藤沢)研究

慶應義塾の附属中学である普通部・中等部・湘南藤沢中等部を徹底比較研究します。「基本データ・教育の特徴」「進学実績」「入試結果・偏差値」「募集要項・選抜方法」「学費」を3校徹底比較研究します。

野倉 学

執筆者:野倉 学

学習・受験ガイド

慶應義塾のペンマークは「ペンは剣より強し」を意味する
今回は陸の王者、慶應義塾の附属中学である3校(普通部・中等部・湘南藤沢中等部)を徹底比較研究。「基本データ・教育の特徴」「進学実績」「入試結果・偏差値」「募集要項」「学費について」で比較していきます。

慶應義塾の附属中学、教育の特徴

福澤諭吉の思想「独立自尊」は、慶應義塾の附属中学3校の各校に息づいているものの、教授法などは若干異なります。例えば普通部の場合、大学・高校と同じ駅ということもあり、蹴球(ラグビー)部やソッカー(サッカー)部などの体育会の部活は、同施設を利用するなど、慶應義塾の規律や上級生との上下関係の厳しさを学ぶことができる環境に。

中等部は制服がなく、自由な校風で知られ、先生を「さん」付けで呼ぶのは有名。

一方、湘南藤沢中等部は平成生まれの学校らしく、グローバリゼーションを視野に帰国生やネィティブの教員が多く「異文化交流」や「ITリテラシー」を重視した教育体制となっています。

慶應義塾普通部(男子校)

■所在地:神奈川県横浜市港北区日吉本町1-45-1

■創立年:1898(明治31)年

■併設小学校からの入学者:08年4月度入学 74名

■中1生徒数:男子約240名/10クラス

■高校募集人数:男子約330名(帰国子女含む)※慶應義塾高校(日吉)のデータ。慶應義塾大学・高校のキャンパスは東横線日吉駅前

■教育理念・校風:慶應義塾の保守本流の男子校。その男子校らしく堅実な校風で、服装や礼節などの規律を重んじる

■教育の特徴:中1のみ1クラス24名の少人数制(中2・中3は約40名)で個性を重視する中、体験を多く取り入れた授業を展開。例えば、理科の実験は2時間連続で、年間20テーマ程を実施。各分野で活躍する卒業生が講師となる「目路はるか教室」では全体講話、コース別授業などがある

慶應義塾中等部(共学校)

■所在地:東京都港区三田2-17-10

■創立年:1947(昭和22)年

■併設小学校からの入学者:12年4月度入学 男子23名 女子49名

■中1生徒数:男子157名程度 女子97名程度/6クラス

■高校募集人数:男子約330名(帰国子女含む)※慶應義塾高校(日吉)のデータ。女子約90名(帰国子女含む)※慶應義塾女子高校のデータ

■教育理念・校風:リベラルな校風で、校則は存在せず、グレー(ダークグレー)の制服は式典用で内部では基準服と呼ばれる。普段は中学生らしい服装を基本とし、襟・袖付きのシャツ(ポロシャツ可)とスカート/スラックスを着用(ジーンズ不可)

■教育の特徴:特に英語の授業が秀逸で、中2・3での英語3ではネイティブスピーカーと日本人の教員がペアになり、生徒の希望および習熟度を考慮した少人数クラス編成による授業が行われている。05年度より実施の選択授業では、2・3年次に週2時間、選択授業を実施。普段の授業では取り上げきれない内容や教員の専門や特技を活かした教科にとらわれない内容も扱う。

また設置された講座の中から、自分の興味・関心に合うものを選んで決めることで生徒の学習への意欲や自主性を高めている。他学年や他クラスの生徒と受講できることや、普段、授業を担当していない教員の授業を受講できることで生徒同士、および生徒と教員の交流の機会を広げることなどを目的としている。

実施科目には、三田吟行会・カルタの究極・読書の時間・書道・こどものための哲学・いのちの法律学・東京今昔・数学史・アンサンブルを楽しむ・造形ワークショップ・スポーツ・日本人の常識・フランス語入門・スペイン語入門・アンサンブルを楽しむ・基礎英語&数学(3年・2年)など約20講座。

慶應義塾湘南藤沢中等部(共学校)

■所在地:神奈川県藤沢市遠藤5466

■創立年:1992(平成4)年

■併設小学校からの入学者:08年4月度入学 男子4名 女子3名

■中1生徒数:男子92名 女子77名/4クラス

■高校募集人数:一般枠はなく、男女約80名(帰国生約30名・全国枠〔神奈川・東京・埼玉・千葉以外の在住者〕約20名・内部進学者)※慶應義塾湘南藤沢高等部のデータ

■教育理念・校風:慶應義塾唯一の中高一貫校。慶應義塾の伝統「独立自尊」を継承しつつ、国際的な場で活躍できる「次世代リーダー」を育てるために語学力と情報リテラシーを高める教育を実践。また、帰国子女の割合も高く、自然に異文化交流ができる環境になっている

■教育の特徴:英語科には現在、非常勤も含め21人の教員がおり、そのうち11人はネイティブスピーカー。専任のネイティブスピーカーはクラス担任をし、「ゆとりの時間」(総合的な学習の時間)も担当する。よって生徒は英語でコミュニケーションをする機会に恵まれ、英語力の保持にもつながっている。どの生徒も少なくとも週2時間はネイティブスピーカーの授業を受けており、英語のクラスはレベル別に4年(高1)までは2つに、5年からは3つに分け、30人以下の人数でそれぞれのレベルに応じてきめ細かに指導する。

授業ではプレゼンテーション、スピーチ、ディベート、エッセイ、ライティングなど色々な課題がバランスよく考えられており、6年では「MUN(模擬国連)」や「英語劇」を通してさらに英語の表現力を養っていく。

「ゆとりの時間」では、補習授業を必要としている生徒のための講座や、帰国生の英語力の保持・伸長のための講座も開講されている

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