Joe Fox: You're crazy about him…
ジョー:彼に夢中なんだね
Kathleen Kelly: Yes. I am.
キャスリン:そうなの
Joe Fox: Then why don't you run off with him? What are you waiting for?
ジョー:だったら駆け落ちでもすれば?何を迷っているんだい
Kathleen Kelly: I don't actually know him.
キャスリン:だって、彼に会ったことがないんだもの
You've Got Mail (98) 『ユー・ガット・メール』 |
母から受け継いだ小さな書店を経営するキャスリンは、恋に落ちた相手がまさか、自分の店の存続をおびやかす大手書店の御曹司ジョーとは知る由もありません。キャスリンにとって、ジョーは顔をあわせるたびにイヤミがついてでるほどにっくき商売敵。ジョーの目にもキャスリンは、口の減らない生意気な女と映っています。
最悪の相性にみえる2人は、なぜかメールだと以心伝心。理想の相手と信じて疑わないほど惹かれあう2人は、とうとう実際に会う約束を交わすのでした。
Do you think we should meet?
今度、会えませんか?
緊張の面持ちでまだ見ぬ恋人の待つカフェへ向かうジョー。ところが、恋の相手があのキャスリンと知るやショックを隠せません。動揺したジョーは一瞬その場を立ち去ろうとしますが、思いとどまりカフェの中へ。席をつくなりキャスリンとケンカをはじめてしまい、とうとうジョーは自分の正体を名乗ることなく席を立ってしまうのでした。翌日、職場へ向かった傷心のキャスリンを待ち構えていたのは従業員のクリスティナ。
Christina: What happened?
クリスティナ:どうだった?
Kathleen: He never came.
キャスリン:彼ったら来なかったわ
Christina: He stood you up?
クリスティナ:すっぽかされたの?
stand someone upは、約束していた相手に待ちぼうけをくわせるという意味。相手をたたせたまま(stand up)放置したとイメージすると覚えやすく、実に冷たい響きの表現です。
ただでさえ意気消沈のキャスリンに冷たい現実を突きつけるようなクリスティナの一言。次に現れた従業員のジョージがまったく同じ質問を繰り返すのを聞き、キャスリンは言葉を選んでこう答えます。
Kathleen: He wasn't able to make it.
キャスリン:来られない事情があったのよ
George: He stood you up.
ジョージ:すっぽかされたんだね
make itは「成功する」や「(約束どおりに)何かをする」という口語英語。やむをえない事情があったと信じたいキャスリンの気持ちをよそに、ジョージまでも冷たい現実をつきつけるのでした。
『ユー・ガット・メール』 You've Got Mail (98)
監督●Nora Ephron ノラ・エフロン
主演●Tom Hanks トム・ハンクス、Meg Ryan メグ・ライアン他