『グラン・ブルー』。ジャン・レノ、ジャン=マルク・バール、ロザンナ・アークェット主演、リュック・ベッソン監督が贈る、偉大な青海に魅せられた男たちの物語。 |
卓越した蒼の美に魅せられ、より深く潜ることで海と交わろうとする2人のダイバー、ジャックとエンゾ。どこまでも広がる蒼の世界と同じくらい、限りない情熱をもって海に挑戦し続ける2人には、偉大な自然の力の前に自らの命を軽んじてしまう危なさがありました。
より深く、その神秘の中に包まれるべく、ある日エンゾは、自身の限界を無視して深海へ潜り続け、命を落としてしまいます。その後、幻覚にうなされるようになったジャックは突然、何かを決心したかのように、一人夜の海へと向かうのでした。
映画のラストシーンでは、ジャックの危うさと静寂を愛した恋人ジョアンナの切ないセリフが実に印象的です。
Go. Go and see my love.
行ってらっしゃい 私の愛を見に
泣き崩れながらも、はっきりと言い放ったジョアンナのこの言葉には、かつてジャックが彼女に語ったある物語への答えが込められています。
Do you know what you're supposed to do to meet a mermaid?
ジャック:どうすれば人魚に会えるか 知ってるかい?
No… tell me.
ジョアンナ:わからない どうすれば?
You go down to the bottom of the sea,
where the water isn't even blue anymore, where the sky is only a memory
….and you decide that you will die for them….
They come and greet you, and they judge the love you have for them….
If it's sincere, if it's pure, they will be with you and take you away forever.
ジャック:海の底に行くんだ
海が青さを失うほど深く 空が記憶になるまで遠く
そこで 彼らのために死ぬことを決意する
そうすれば 人魚がその愛を確かめにやってくる
それが誠実で純粋なものなら 彼らは永遠に君を受け入れ、
彼らの世界へ連れていってくれるんだ
壮大の深海の世界では、自分の命の終わりは新たな命の始まりにすぎない―。ジャックの揺ぎ無い気持ちを悟り、ジョアンナは張り裂けそうな悲しみをこらえて、愛する人を送り出す決意をしたのでしょう。愛する人の望むものなら自分も望む。この強く、献身的な愛のかたちに心を打たれずにはいられません。