家庭菜園/家庭菜園関連情報

節水・暑さ対策 in イギリス(2ページ目)

年々深刻になることが予想される、猛暑や渇水。ガーデンを楽しむうえでも、暑さ策や節水対策は急務です。先日訪れたイギリスで、楽しくてかわいい、こんな対策を見つけてきました。

小島 理恵

小島 理恵

家庭菜園 ガイド

大手造園会社を経てプロのガーデナーとして独立。専門学校の講師も勤める。オーガニックな空間作りが得意で、こと家庭菜園においては、無農薬栽培や有機栽培、地産地消、フードマイレージなどについても研究を重ねている。

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草屋根は天然のエアコン


ところで、屋根に雑草のようなものが生えている建物、これが、ショップの建物です。これは、草屋根といって、ノルウェイなど北欧の国では、昔から行われてきた方法です。
草屋根
草屋根は、夏は草の蒸散作用により屋内を涼しくし、冬は厳しい寒さを和らげてくれる断熱材となる、いわば、天然のエアコンのような役目を果たしてくれるものです。さらに、このような様々な種類の草が生えている草屋根は、虫などの小さな生き物の生息場所ともなっており、生態系保全の役割も果たしてくれます。

そんな役割は抜きにしても、風に揺れている草が、屋根の上に生えているなんてかわいいし、こんな家が1軒あるだけで、街並み全体がやわらかく感じられてしまう、不思議な魅力を持った屋根だといえるのではないでしょうか?

とはいっても、このような草は、定期的に雨が降ったり、霧が発生したりする気候でないと、自然には維持できません。例えば、今年の東京の夏のような気候では、この草は枯れてしまっていることでしょう。そうならないためには、灌水装置をきちんと設置必要があるのですが、そこまでの設備を必要としない草屋根を、ロンドンで見つけました。
セダムの草屋根

先ほどの草屋根とは、ずいぶん雰囲気が変わりますね。これは、セダム類といって、サボテンのような多肉植物を組合せて植栽したものです。これらの植物は、サボテンと同様、あまり水分を必要としない品種ですので、雨が少なく、夏の暑い地域でも、ある程度生き延びていくことができます。

こんな風に、水をあまり必要としない植物を植えることも、節水対策のひとつといえます。
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