LTHタイプはなぜ安くできる?
LTHタイプのメディアを販売しているメーカーが、従来のメディアよりもコストダウンが可能であると言う根拠はこの記録層の違いにあります。相変化形式の記録層は金属素材を合成してできているため、絶対的な素材コストがかかるために、極端な低価格化が難しいのです。これに対して、色素は量産した場合に、コストを下げることが難しくありません。
これは記録型DVDメディアを比較するとよくわかります。記録層に色素を使うDVD-Rに対して、DVD-RWでは相変化形式の記録層を使っており、それゆえにDVD-RWメディアの価格はDVD-Rよりも安くなることがありません。
ドライブ側の対応が必要なLTH
しかし、従来のHTLなBD-Rメディアに対して、信号記録形式が反転しているLTHタイプのメディアはそのままでは、ドライブが正常にデータを読むことができません。そのため、LTH形式に対応しているドライブでなければLTH形式のメディアに正常にデータを書き込んだり、読み取ったりすることができないのです。
LTH形式のメディアはBD-R規格のVer.1.2で正式サポートされるようになりました。そのため、BD-R Ver.1.2に対応しているドライブ、レコーダー、プレイヤーで扱うことができます。BD-R Ver.1.2規格は2007年春に策定された規格なので、それ以後に登場したドライブやレコーダー、プレイヤーでは通常、サポートされるようになっています。
たとえば、2007年末に登場したソニー、パナソニックのレコーダーでは、ファームアップによりLTHタイプに対応します。
これに対して、2007年春以前に登場したブルーレイレコーダーでは対応に違いがあります。2006年冬に登場したパナソニックの第2世代ブルーレイレコーダーの最初の機種DIGA「BW200」、「BR100」はファームアップでLTHに対応しますが、ソニー「BDZ-V9」、「BDZ-V7」はLTHに対応しません、
次ページではなぜLTHメディアが最近になって登場してきたのか?を説明します。