フランス語/フランス語アーカイブ

あなたの想像力をチェック!昆虫クイズ

夏休みの昆虫採集気分でフランスの詩人ジュール・ルナールの世界へご招待。想像力あふれる彼の文章がどんな生き物たちを描写しているのか、謎解きにチャレンジしてみてください。

越智 三起子

執筆者:越智 三起子

フランス語ガイド


蝉の声もにぎやかな季節。夏休みということで童心に返って昆虫採集といきたいところですが、現実はなかなか難しいもの。今回は、フランスの詩人Jules Renard『Histoires naturelles』(『博物誌』)の世界へみなさんをご招待しましょう。きらきらと輝く想像力に踊りだしたくなるような彼の描写。どんな生き物たちを描写しているのか、フランス語も勉強しながら謎解きにチャレンジしてみてください。

二つ折りになったラブレター

histoires
ルナール『博物誌』
まずは、ロマンティックなこの描写から。さてこの昆虫の正体は?

「Ce billet doux plié en deux cherche une adresse de fleur.」
(二つ折りの恋文が花の番地を探している)

この表現に使われているbillet(ビエ)は通常お札や紙幣サイズの切符のことを指しますが、手紙の意味ももつ単語です。やはり訳としては上記の岸田国士訳のように「恋文」にしてしまうのがロマンティックで素敵でしょう。fleur(フルール/花)が最大のヒントですね。そう、正解はpapillon(パピヨン/蝶)です。同名の犬の名は、その耳の形が蝶に似ていることからきていることはみなさんもご存知ですよね。

目の病気を治しているお嬢さん

demoiselle
潤んだ眼は愛らしい?
さてお次の主人公は、眼を患っています。ヒントは昆虫。

「Elle soigne son ophtalmie.D'un bord à l'autre de la rivière, elle ne fait que tremper dans l'eau fraîche ses yeux gonflés.」
(彼女は眼炎の治療をしている。川岸のこちらからあちらへと腫れた眼をつめたい水で冷やすことばっかりしている。)

こちらはまずdemoiselle(ドゥモワゼル)という正解からお知らせしましょう。demoiselle→mademoiselle(マドゥモワゼル/お嬢さん)という連想がすぐに働くでしょうが、この単語にはlibellule(リベリュル/とんぼ)の意味もあります。フランス語では女性名詞の単語を「彼女」という意味をもつ代名詞elle(エル)で受けることができますが、この場合はその女性形の効果がバッチリ表れているといった感じですね。そんなに眼を腫らしているのは「失恋」のせい?などと考えるとdemoiselleを網で捕まえて標本にはなかなかできません。

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