日本のお家はダイナミック!
Fredericさんが日本で手掛けたProvence風住宅 |
Frederic:まずはméditation(瞑想)を誘う壁のパステルカラーでしょうか。Provence風のけばけばしさを見ていると、Provence人が大きくかん高い声で話すのは壁の色のせいじゃないかと思えてきます。(笑)
さらに、日本の家からは外が眺められるしくみになっています。空間が家の外へとつながっているような感じで、小さなpièce(部屋)でも広くみせる視覚的効果が素晴らしいですね。
またフランスとくらべるとcouloir(廊下)は、ないに等しいといえるでしょう。これは、すごい発明です。廊下で仕切られるフランス家屋では一つ一つの部屋が独立しており仕切られています。「静的」な家といえるでしょう。
日本家屋の可動性を連想させるLe CorbusierのUnité d'Habitation |
さらに驚くべきことに、家の中そのものが一日の時間帯や活動内容によって変化します。「ふすま」ようなしきりが開いたり閉じたりすることで、必要に応じてpièceの広さを変化させることができます。この「可動性」を日本家屋の特徴としてあげることができるでしょう。Le Corbusier ですら、これほどまでに機能する家造りに成功することはありませんでした。どちらかと言えば生気に乏しいフランスの家と比較すると、日本の家は、まさに「生きている」といえるでしょう!
「静的」な趣をたたえながら世代を超えてその姿を変えていく重厚なフランスのお家、限られた場所の活用と住む人の必要に合わせて、中身を「ダイナミック」に変化させる日本のお家。Fredericさんのお話は、当然のことかもしれませんが「家」の話が「文化」の話に広がっていくような楽しい印象を受けるものでした。みなさんは、どう思われましたか?
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