春といえば桜! 桜といえば日本のシンボル! ところがフランス語サイトを見ていると、日本人が連想する「お花見」や「花の優雅さ」とは別に、いろいろな「Sakura」に出逢うことができます。そんな「Sakura」に関する話題を徹底分析して、フランス人が桜の中に見ている日本をお届けしましょう。
天気予報にまで桜が登場!
フランス版Porco Rossoの吹き替え担当はJean Reno |
ちなみに、 Wikipédiaの「sakura」の項目では、front des fleurs de cerisier(フロン デ フルール ドゥ スリジエ)というフランス語で紹介。frontは、日本語と同じように気象用語や軍隊関係で「前線」としても使われる単語ですが、「ひたい」という訳語で覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
また、fleursは「花」を意味する女性名詞です。ここで複数形が使われるのは納得ですよね。最後のcerisierが、「桜の木」を表す単語です。ただし、フランス人にとってはcerisierと聞いて連想するのは、花ではなくcerise(スリーズ/さくらんぼう)の方。CMやアニメ『Porco Rosso』(紅の豚)でも有名なシャンソン『Le temps des cerises 』(ル タン デ スリーズ/さくらんぼうの実る頃)はご存知の方も多いですよね。
毎年、あたり前のようにl'Agence Nationale de Météorologie (ラジャンス ナシオナル ドゥ メテオロロジ/気象庁)によって発表される桜前線。contempler les fleurs(コンタンプレ レ フルール/花見)には欠かせないものですが、テレビの中で桜が沖縄から北海道にむかって前進していく様子を喜ぶ日本人を見て、敵地への侵略に嬉々としている日本軍のイメージにだぶらせるなどというシュールな見解だけは避けていただかなければなりませんね。
はかない桜が象徴するものって?
富士山と並んで日本を象徴する桜 |
お花見をしながら、「kamikazé」などと考えている若い日本人は今や皆無に近いと思いますが、歴史的観点から考えてみると、単純に、団子食べながら「桜、きれい! 」とヘラヘラ言ってられないな~と複雑な想いが交錯するのは確かです。
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