大人の恋愛は、「タンゴ」でもりあがる

離婚、気難しい父の介護、息子とのぎこちない関係、ストレスのたまる仕事と、50歳にして、La vie en rose (ラ ヴィ アン ローズ/ばら色の人生)とは程遠い Jean-Claude。一方、結婚を目前にして「ばら色の人生」まっただ中のはずなのに、揺れ動く微妙な精神状態のFrançoise。そんな「満たされない」二人を結び付けるのが「タンゴ」。

tango
『愛されるために、ここにいる』
まさに、フランス版『Shall we dance ?』といった感じのするストーリー展開をもつ話題の映画が、『Je ne suis pas là pour être aimé』(邦題:『愛されるために、ここにいる』)です。今回は、この作品でフランス語のお勉強とまいりましょう。Pod Castサイト「Chocolat」とのコラボ第2弾として、音声、ショートムービーもこちらで見られますので、是非ご確認ください。


愛されることに不器用な人たち

gotan
BGMのタンゴを演奏しているGotan Project
それでは、まずはタイトルのフランス語からお勉強してみましょう。実はこの『Je ne suis pas là pour être aimé』というタイトル、邦題でこそ『愛されるために、ここにいる』というものですが、フランス語オリジナルタイトルの直訳は、おもしろいことに「愛されるためにここにいる訳ではない」という正反対の意味です。

フランス語の否定文の作り方は簡単で、動詞をne(ヌ)とpas(パ)ではさめば完成です。ただし、不定詞(動詞の元の形)を否定にする場合にはne pasは動詞の前にまとめて置きますので注意してください。例として、先ほどのタイトルのバリエーションをいろいろ挙げておきます。

  • Je suis là pour être aimé. (愛されるためにここにいる。)
  • Je ne suis pas là pour être aimé.(愛されるためにここにいるわけではない。)
  • Je suis là pour ne pas être aimé. (愛されないためにここにいる。)
  • Je ne suis pas là pour ne pas être aimé.(愛されないためにここにいるわけではない。)


  • 最後の方は何がなんだかわかんなくなってきましたね。実際の映画は、ダンスムービーというよりも、「愛すること」とともに、「愛されること」にも不器用な人々が、実に愛すべく(!)描かれています。想いをまっすぐに表現することが不器用なフランス人というのは、なかなかイメージにないかもしれませんが、彼らの微妙な心の機微は、わたしたち日本人には随分と共感できるものかもしれません。

    次ページでは、そんな不器用なおじさんが、プレゼントに彼女の「香水」を探すというシーンから、ショッピングにもお役立ちの会話集をご紹介しましょう。