英語を教えることが好き、子どもが好きという望月さん。 |
望月和子さんプロフィール
日本女子大卒業後、銀行に就職。退社後、結婚と同時に夫の転勤に伴い、イギリス、アメリカでの生活を計10年経験。現地で子供の幼稚園、小学校でボランティア活動をしながら、現地の子供たちの母国語の習得過程を研究。 イギリス商業英語検定一級。現在、アメリカ、イギリスの文化・習慣などを紹介しながら、小学生から社会人まで幅広く英語を指導。
子どもが生まれ、生活の視点が変わった
ガイド:児童英語教師という仕事は、どのようなお仕事なのでしょうか。
望月さん:
私の場合は、ご家庭に伺いマンツーマンでレッスンを行います。幼稚園から中学生までと生徒の年齢層は様々です。このようなマンツーマンで行う方法と、少人数のグループで行う方法とがあるようです。グループレッスンの場合は主に、英会話スクールや派遣会社に登録したり、というのが一般的のようです。
私も最初は派遣会社に登録し、各ご家庭へ伺うスタイルでしたが、会社の事情で独立することになりました。今の生徒さんは、皆そのときの生徒さんです。
ガイド:
児童英語教師をめざされたきっかけは何だったのでしょうか。
望月さん:
主人の赴任でイギリスへ5年ほど住んでいました。ロンドンには、様々な国からイギリスへ来た人々を対象にした語学学校が多く、もともと英語に興味がありましたので、通うことにしました。そこでは、主にヨーロッパが多いのですが、様々な国の方々と共に学びました。
その後、娘が生まれ、絵本の読み聞かせや子育て事情を知るうちに、英語を教える楽しさ、大切さを感じはじめていました。イギリスから帰国後2年して、今度はアメリカに5年ほど住みました。アメリカでは娘が通う現地校でアメリカ人の子供たちが母国語としての英語を学んでいく過程を観察し、外国語として英語を学ぶ際にも役に立つメソッドをたくさん吸収することができました。たとえば、アメリカの子供たちは小学校低学年の時から、授業で"show and tell"といって、自分のお気に入りのものを見せながら、その
対象について発表するという時間を持ちます。小さな時から自己を表現することを学んでいきます。そこでも英語の必要性だとか、重要性は感じていましたが、さらに「自分の意見」をきちんと表現することの大切さを痛感しました。
そして、アメリカから帰国後、娘が手が離れつつあることをきっかけに、児童英語教師になりたい、と強く思うようになりました。そして、派遣会社に登録したのです。
ガイド:
やはり本場イギリスで学んだことはお仕事上、有利ですか?
望月さん:
もちろんそれもありますが、イギリスで商業英語検定を受けたことが評価されたようです。イギリスでは英語のスキルを証明する代表的な検定です。
ガイド:
本場で学んだものを形にしたことが今のお仕事に結びついたのですね。もともと英語が好きだったのでしょうか?
望月さん:
大学は英文科でしたが、その後、一般企業に勤めていて全く英語に携わることはありませんでした。けれども、英語が好きでずっと続けていました。やはり本や映画を原文で読めると楽しさが全く違います。
ガイド:
そうですね、映画も吹替え版は違和感があるように感じます。それでは児童英語教師のお仕事のメリットややりがいを教えていただけますか?
望月さん:
私は生徒さんとマンツーマンで行っているため、生徒さんのスキルアップが手に取るようにわかります。単語、単語から文章、とつながりや広がりを感じることができることにやりがいを感じます。また、仕事をする形態として、ある程度自分でコントロールできるところでしょうか。やはり娘との時間も大切ですし、家庭もしっかりあってこその仕事だと思っています。
ガイド:
メリットはたくさんあるようですが、デメリットはありますか?
望月さん:
子供も好きですし、レッスンもとても楽しい仕事ですが、強いて言えば、会社と異なり同僚や上司がいませんので、相談したり教えてもらうことが出来ません。レッスンの方法や方針について悩むときがあります。英語を通して日本語というものも考え、さらには日本について考えてしまい、これから社会を担う子供たちのことを思い、レッスンの方法など悩んでしまいます。