動画撮影・動画編集/動画撮影、動画編集関連情報

ビデオ撮影講座【Lesson 8】 HDV用のビデオテープがある?

思い出の記録はきちんと残したい、できる限りよい映像で残したいと思うのは、撮影する誰もの願いです。では、よい映像で残すためのビデオテープはあるのでしょうか?

阿部 信行

執筆者:阿部 信行

デジタルビデオガイド

思い出の記録はきちんと残したい、できる限りよい映像で残したいと思うのは、撮影する誰もの願いです。では、よい映像で残すためのビデオテープはあるのでしょうか? 今回はビデオテープ選びにポイントを合わせてみました。

高価なテープの方が画質がよい?

高価なDVテープは、通常のテープとなにが違うのだろう
現在、ビデオカメラで利用されているビデオテープの主流は「ミニDVカセット」と呼ばれているものです。価格によっていろいろなタイプがあるようですが、さて、どれを選べばよいのでしょうね。

結論から言えば、画質的にはどのミニDVテープを選んでも同じです。高いテープを使ったからといって、画質がよくなるということはありません。アナログのビデオカメラ時代には、確かに高画質な映像記録ができるビデオテープとういのがありましたが、デジタルではビデオテープによる画質の差というものはないのです。

では、なぜ価格による差があるのだろうと疑問になりますよね。それには、さまざまな理由があるようですが、要約すると、次の2点にまとめられます。

・エラーの少ない映像が撮れる
・長期保存に対応している

たとえば、ソニーの「DVM63HD」などは、この双方の特徴を備えたミニDVカセットとして注目されています。価格的には、通常タイプの約1.5倍~2倍程度しますが、「安心して撮る」には最適なテープです。

ドロップアウトが少なく、長期保存にも耐えるソニーの「DVM63HD」

なお、メモリ機能付きのミニDVカセットは、映像の撮影情報を記録するためのICメモリを搭載しているため、同じミニDVカセットよりも価格が高価ですが、特別に上記したような特徴があるというわけではありません。

ICメモリ機能付きのミニDVカセット。メモリ自体は、画質にまったく関係ない

■エラーの少ない映像が撮れる

ビデオ撮影時、テープ側のエラーで多いのが「ドロップアウト」と呼ばれるエラーです。これは、テープの傷やホコリによって、映像の一部(フレームといいます)が記録されない状態のことをいいます。ドロップアウトがあるテープを再生すると、その部分の動きが一瞬止まったような、あるいはフッと動きがずれたような妙な部分が見られるのですが、それがドロップアウトと呼ばれるエラーです。

価格の安いテープだからといってドロップアウトが発生しやすいというわけではありません。ただ、価格の高いテープの方がドロップアウトが発生しにくいのです。大切な記録するとき、なるべくエラーのない映像で残したいのなら、ドロップアウトの少ないテープがおすすめです。

■長期保存に対応している

また、撮影したテープを保存しておく場合、長期保存によるテープの劣化も心配です。映像はDVD-Videoにして保存しておくのでよいという場合は別ですが、テープのままで保存するのなら、保存環境に注意してください。実際にどうするかですが、できればテープやカメラの保管庫などを利用するとベストなのですが、そうもできない場合は、できるだけ湿気の少ない冷暗所に保存してください。

この場合も、価格の高いテープは長期保存しても劣化が少ないという特性を持った製品が多いのです。したがって、テープのまま長期保存したいのなら、長期保存に対応した製品を選んでください。

ハイビジョン用のビデオテープってあるの?

ハイビジョンでよい映像を残したいのなら、ドロップアウトなどエラーの発生が少ないタイプを利用しよう
ソニーのHDR-HC1でグッと身近になったハイビジョンですが、高画質で撮れるのならビデオテープも高画質で撮れるものを利用したいと思いますよね。でも、とくにハイビジョン用のビデオテープというものはありません。ハイビジョンでも、通常のビデオカメラ用のミニDVテープを利用して撮影します。

ただし、映像を圧縮する特性によって、ドロップアウトなどがあると、通常のビデオカメラでの撮影より不自然な具合が目立ってしまうのです。通常のビデオカメラでは、最小限のドロップアウトなら1/30秒の映像が抜けるだけで済むのですが、ハイビジョンの場合は、最小でも1/2秒の映像が抜けてしまうのです。この不自然さは結構目立ちます。

そのため、せっかく高画質で映像を残すのなら、ドロップアウトなどが発生しにくいテープを選ぶことが重要になります。

また、現時点ではハイビジョン映像をそのままDVDなどのメディアに残すことも難しいので、撮影したテープのまま保存するということになります。この場合も、やはり長期保存に耐えられるテープを選びたいものです。

たとえば、先に紹介したソニーの「DVM63HD」などは、ドロップアウトの発生しにくいテープで、長期保存にも対応するなど、ハイビジョン向けのビデオテープといえます。

何気なく選んでいるテープですが、こうしたことにもちょっと気を配ると、きちんとした映像で記録を残せますよ。


関連記事

ビデオ撮影基本講座 Lesson一覧
ビデオ撮影講座【Lesson 1】 ブレない映像を撮るために
ビデオ撮影講座【Lesson 2】 基本の撮影アングル
ビデオ撮影講座【Lesson 3】 人物の撮影サイズ
ビデオ撮影講座【Lesson 4】 パンとティルトのポイント
ビデオ撮影講座【Lesson 5】 ズームの効果的な使い方
ビデオ撮影講座【Lesson 6】 逆光のときの撮り方
ビデオ撮影講座【Lesson 7】 ストーリーを考えながら撮る
ビデオ撮影講座【番外編1】 カメラバックに入れたい小物
デオ撮影講座【番外編2】 ビデオ三脚の使い方
ビデオ撮影講座【こんなとき 1】 新・運動会でのビデオ撮影のコツ
ビデオ撮影講座【こんなとき 2】 動くものを撮るときのコツ
ビデオ撮影講座【こんなとき 3】 子供を撮るときのコツ

●関連サイト

【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで人気のビデオ編集ソフトをチェック!楽天市場で人気のビデオ編集ソフトをチェック!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※OSやアプリ、ソフトのバージョンによっては画面表示、操作方法が異なる可能性があります。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます